SpaceX Falcon 9残骸が月面に衝突、映像捉えられず
原題: Welp, Nobody Saw SpaceX’s Falcon 9 Rocket Crash Into the Moon
なぜ重要か
月面衝突への対応と追跡体制の不備が露わになり、今後の宇宙デブリ管理・国際ルール整備の議論加速が予想される。
SpaceXのFalcon 9ロケット上段が2026年8月5日(水)に月面へ衝突した。世界中の天文台が観測を試みたが、衝突の直接画像・映像の撮影には成功しなかった。チリの欧州南天天文台がナトリウムとリチウムの放出を検出し、衝突が予測通りに発生したことを間接的に確認した。
SpaceXのFalcon 9ロケット上段が時速約8,700km(約5,400mph)で月面に衝突した。衝突のタイミングは事前に把握されており、世界各地の天文台が望遠鏡を月に向けて「月の昼側での衝突フラッシュ」という史上初の観測を目指したが、直接的な映像・画像の取得には至らなかった。
最も有力な証拠となったのは、チリにある欧州南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(Very Large Telescope)による観測だ。衝突予測時刻から数分後、ナトリウムとリチウムの流れが検出された。研究者たちはこれを間接証拠として、衝突が予測地点で発生したと判断している。ナトリウムは月面から飛散した物質、リチウムはロケット本体に由来するとみられている。
NASAは衝突前に観測を試みると発表していたが、現時点では画像や結果を公開していない。NASAの推定によると、Falcon 9上段は直径約18メートル(約60フィート)、深さ約3.6メートル(約12フィート)のクレーターを形成し、大量の岩石や粉塵を周囲に飛散させたとされる。
NASAの月周回衛星「Lunar Reconnaissance Orbiter」および韓国宇宙機関の周回衛星が近日中に衝突地点上空を通過する予定で、最初のクレーター画像が数日中に公開される可能性がある。
このFalcon 9上段は2025年初頭にミッションを完了した後、不安定な軌道に置かれ、地球・月・太陽の重力に1年以上かけて軌道を変化させ、最終的に月面へと到達した。月面へのロケット残骸衝突は、2022年の中国ロケット以来のケースとなる。今後も月探査活動の増加が見込まれる中、宇宙デブリに関する安全プロトコル整備の必要性が高まっている。なお、SNS上では衝突瞬間とされる偽画像・偽動画が出回っているが、専門家は注意を促している。