米陸軍がレーザー兵器を正式に装備へ

原題: Landmark Deal Would Officially Add Laser Weapons to US Army Arsenal

なぜ重要か

指向性エネルギー兵器の正式装備化は、ドローン対策の費用・補給面の課題を大幅に変える可能性があり、防衛産業における新たな需要創出につながる。

米国防総省は「Enduring High Energy Laser(持続型高エネルギーレーザー)」の取得・迅速展開に向けた契約を締結する見通しで、早ければ今週にも正式発表される。世界各地の基地周辺でドローン攻撃への防衛に使用される予定であり、米軍が大規模なレーザー兵器配備を公式に決定する初の事例となる。

米陸軍は50年以上にわたりレーザー兵器の実用化を試みてきたが、いずれも実戦配備には至らなかった。しかし今回、国防総省が「Enduring High Energy Laser(EHEL)」の取得契約を締結する方向で動いており、米軍が初めてレーザー兵器を大規模に正式装備する画期的な転換点となる。

この動きの背景には、ドローン脅威の急増がある。イランやウクライナでの戦闘では、安価で大量のドローンが従来の迎撃手段を圧倒する事態が明らかになった。米軍はイラン紛争初期、1機35,000ドルのイラン製ドローンに対して400万ドルのPatriotミサイルを使用するという費用対効果の悪い対応を余儀なくされ、迎撃ミサイルの備蓄も消耗させた。一方、レーザー兵器は電力さえあれば弾切れがない点が大きな優位性とされる。

元空軍主任科学者のMark J. Lewis氏はWIREDに対し、「長年にわたりレーザーは将来の兵器とされてきたが、ついに実用段階に達した」と語った。

現時点で米軍は約6種類のレーザー兵器システムを展開中または試験中だ。海軍は2隻の艦船にドローンの光学センサーを無力化する「dazzler(眩惑装置)」を搭載。欧州・アフリカ空軍司令部はBoeingの「Compact Laser Weapons System」を管轄地域に展開している。また6月下旬にはPete Hegseth国防長官がニューメキシコ州ホワイトサンズの陸軍試験場を訪問し、指向性エネルギー兵器プロジェクトのデモを視察した。

一方、課題も残る。Raytheon製の空防衛レーザーを搭載した4両の車両は、兵士からの低評価を受け中東から撤収された。また、AeroVironment製のレーザーが米南部国境沿いで誤って誕生日パーティーの風船を撃墜し、テキサス州エルパソ周辺の一時的な飛行禁止措置を引き起こした。さらに同レーザーが誤って国境警備隊のドローンを撃墜する事故も発生した。ただし軍はこの誤撃墜を、レーザーがドローン迎撃能力を実証した証拠と評価しており、正式装備化を後押しする一因ともなっている。

出典

wired.com — 元記事を読む →