米最高裁、位置情報一括捜査令状の合法性で判断分かれる
原題: US Supreme Court appears split over controversial use of ‘geofence’ search warrants
なぜ重要か
デジタル時代のプライバシー権と法執行機関の捜査手法のバランスを決定する重要な判例となる
米連邦最高裁判所は4月28日、警察が技術企業に対し特定の場所・時間にいた全ユーザーの位置情報開示を求める「ジオフェンス捜査令状」の合法性について口頭弁論を実施した。2019年の銀行強盗事件で逮捕されたVirginia州のOkello Chatrie氏の事件を通じ、デジタルプライバシー権の重要な判例となる可能性がある。
この事件は、法執行機関がGoogleなどの技術企業に対し、特定の場所・時間にいた数十億人のユーザーの位置情報開示を求める「ジオフェンス捜査令状」の合法性を問うものだ。警察は携帯電話の位置データを基に、犯罪現場付近にいた人物を特定し、容疑者を絞り込む手法を使用している。しかし市民権擁護団体は、この捜査令状が過度に広範囲で違憲だと主張している。無関係な人々の個人情報も収集されるためだ。実際に過去数年間で、偶然近くにいた無実の人々が巻き込まれたり、抗議活動参加者の特定に使用されたりした事例がある。New York Timesの調査によると、この手法は2016年に連邦捜査官によって初めて使用され、2018年以降は毎年数千件の令状が発行されている。本件は2019年のVirginia州の銀行強盗事件で、警察が防犯カメラで携帯電話で通話する容疑者を確認後、Googleにジオフェンス捜査令状を発行したことから始まった。最高裁は今年後半に判決を下す予定で、技術大手が収集する位置情報に対する「合理的なプライバシーの期待」があるかが争点となる。