英国でPalantirのNHS契約に反対デモ
原題: ‘Hands Off Our NHS’: Anti-Palantir Protests Break Out in UK Over Deal With National Health Service
なぜ重要か
公共部門での民間AI企業活用をめぐる市民社会の懸念が顕在化し、データ主権とAI統治の議論が活発化する象徴的事例
6月11日、英国マンチェスターで開催された医療会議の会場前で約80人の抗議者が集結。米データ分析企業Palantirと英国国民健康サービス(NHS)の最大4億4000万ドル契約の中止を求めデモを行った。プライバシーやセキュリティ、同社の政治的関与への懸念が背景。
抗議活動はNHS ConfedExpoの入口で現地時間午前8時から行われた。参加者は病院ガウンを着用し「患者対Palantir」などのプラカードを掲げ、「NHSから手を引け、健康データから手を引け」と唱和した。抗議者にはNHS職員も含まれ、ある看護師は外国企業への機密医療データ流出や、Palantirの米入国税関執行局、イスラエル軍との協力関係への懸念を表明した。一部はパレスチナ旗を振り、同社のイスラエル関連業務に反対の意思を示した。抗議は AI開発の社会的影響を懸念する活動団体「Pull the Plug」が組織し、国際アムネスティや医療従事者組合Unisonも参加した。英政府は2020年の新型コロナウイルス追跡を機にPalantirとの協力を開始。現在の契約では同社がNHS全体のデータ統合・分析を担当し、待機時間短縮と無駄の削減を目指している。契約は2031年まで継続予定だが、政府は来年2月に契約解除可能な条項を持つ。同社共同創設者Peter Thielが2023年にNHSを「根こそぎ取り払って最初からやり直すべき」と発言したことで、政府契約業者としての適性に疑問が呈されている。