RISC-Vへの技術的批判を詳細解説

原題: RISC-V: They Should Have Known Better

なぜ重要か

RISC-Vの普及が加速する中、ISA設計の本質的な課題を技術的根拠で整理した論考は、採用判断や標準化議論に影響を与えうる。

エンジニアのDmitry氏は個人ブログで、RISC-Vアーキテクチャの設計上の問題点を体系的に指摘する長文記事を公開した。「すべての用途に最適」とされるRISC-Vの主張に対し、高性能CPUと小型マイコンの設計要件は本質的に相反するとして、ISAとしての根本的な欠陥を複数の観点から論じている。

ソフトウェア・ハードウェアエンジニアのDmitry氏は、RISC-Vに対する批判的見解を1か所にまとめた技術論考を公開した。同氏はRISC-Vのファンから「すべてのスーパーコンピュータから小型マイコンまで制覇する」と主張されることに対し、単一のISAが全用途で最良になることは原理的に不可能だと述べている。

安価な組み込みマイコン向け用途については、求められる要件として割り込みレイテンシの低さ、コアサイズの小ささ、コード密度の高さを挙げている。大量生産される製品ではNORフラッシュはコスト上採用できず、ROMまたはRAMからコードを実行するため、コードサイズが直接ダイ面積に影響する。

RISC-Vの組み込みプロファイルであるRV32ICやRV32ECがこの用途に近いとされるが、Dmitry氏はそれだけでは不十分だと主張する。割り込み処理を仕様準拠の形で実現するにはZicsrExtensionが必要であり、これなしではmscratch/sscratchレジスタが使えず、レジスタの退避に代替手段を使わざるを得ない。MIPSが$k0・$k1という専用レジスタを割り込み用に確保していたのとは対照的で、同氏はこの設計を「8051の悪習と同様」と評している。

また、RISC-Vは「オプション性」を多用することで仕様が肥大化しており、命令エンコーディングも非効率だと批判している。記事は複数の章に分かれており、「明らかに欠落している機能」「不合理なエンコーディング」「問題の経緯と今後」「RISC-Vは滅びるか」などのトピックを扱っている。同氏は最終的に、RISC-Vが安価マイコン市場を8051から奪取するのはISA設計の優秀さによるものではなく、それにもかかわらず実現すると予測している。

出典

dmitry.gr — 元記事を読む →