Raspberry Pi 5搭載「QuadRF」でドローン追跡とWiFi透視が可能に
原題: QuadRF can spot drones and see WiFi through my wall
なぜ重要か
オープンソースのフェーズドアレイ技術が499ドルで一般入手可能となり、無線セキュリティ研究や電波環境の民主化が加速する可能性を示す。
オープンソースのフェーズドアレイ無線機「QuadRF」が、Raspberry Pi 5とFPGAボードを組み合わせ、壁越しのWiFiトラフィック可視化やドローンの飛行追跡を実現した。Crowd Supplyにて基本キットが499ドルで販売中。開発者のMartin McCormickは元SpaceXエンジニアで、最大1.15MW EIRPの月面規模アンテナアレイを目指すプロジェクトの一環として開発した。
「QuadRF」はRaspberry Pi 5とFPGAボードを核としたフェーズドアレイ無線機で、ピコ秒レベルのタイミング精度によるビームフォーミングと高度な信号処理を実現している。対応周波数帯は4.9〜6 GHzで、5GHz帯のWiFiトラフィック解析やドローンの追跡が可能だ。
開発者のMartin McCormickは、SpaceXでStarlinkの地上端末「Dishy」の開発チームに在籍していた経歴を持つ。QuadRFは、その技術を応用しながら独自仕様には縛られないオープンな設計となっており、複数モジュールを連結することで最大1.15MW EIRPの指向性アンテナ利得を得られる月面スケールのアンテナアレイへの発展を見据えている。
使用方法はシンプルで、電源を入れるとPi上でWiFiホットスポットが立ち上がり、ブラウザからhttp://quadrf/にアクセスすることでVNCセッションを通じてGNU RadioやSDRソフトウェア、さらには独自のAR(拡張現実)RF可視化ツールを操作できる。ARビジュアライザーでは各WiFi信号が色付きの「ブロブ」として表示され、チャンネル100(約5.5GHz)で動作する5GHz WiFiはライトブルー、近隣ネットワークは赤や緑で表示されることが確認された。
ジェフ・ゲアリング氏と元放送エンジニアの父親が行ったテストでは、DJI Mini Pro 4ドローンを建物の裏で飛行させたところ、QuadRFは問題なくドローンを検出・追跡した。ただし、UIはまだ荒削りな部分があり、ゲイン調整など携帯しながらの操作には改善の余地があるとしている。
Crowd Supplyでの基本キットは499ドル。バッテリーパックとスマートフォンホルダーを含む「Mobile Expansion Pack」も別途用意されており、C帯のリアルタイム解析を屋外で行える構成となっている。クラウドファンディングは当初目標を超過している模様だ。