Proxima Fusion、HTS製造工場に€140M投資

原題: Proxima Fusion bets €140M on a critical fusion ingredient dominated by Asian suppliers

なぜ重要か

HTS供給の地政学的リスクを自前工場で内製化する試みは、欧州の核融合産業が実用化フェーズへ歩を進める上で重要な節目となる。

ドイツの核融合スタートアップProxima Fusionは2026年9月10日、高温超伝導(HTS)テープ製造工場の建設に€1億4000万(約162億6000万円)を投じると発表した。工場建設にはニーダーザクセン州が€2100万を拠出。同社のデモプラントには2万km、商用発電所にはその倍量のHTSテープが必要になる。現在、HTS市場は中国と日本が支配している。

Proxima Fusionは、核融合炉の鍵となる部品であるHTS(高温超伝導)テープの自社生産体制を整えることを決断した。総投資額は€1億4000万で、パブリック・プライベートの混合資金で賄う。ニーダーザクセン州が€2100万を負担し、残りは民間資金から調達する予定だ。

HTS テープは10年余り前に登場し、現世代の核融合スタートアップを支える基盤技術の一つとなった。比較的高い温度でも強力な磁場を生成できるため、従来より小型かつ高効率な炉の設計を可能にする。Proxima は同テープで磁場を形成し、核融合反応に必要なプラズマを閉じ込める方式を採用している。

同社のデモプラントには2万km、商用発電所にはその2倍にあたる4万kmのHTSテープが必要になる。現在、世界のHTS生産量の大半は中国と日本が担っており、欧州発の安定した供給源はほぼ存在しない。自社工場建設はこのサプライチェーンリスクを直接解消する狙いがある。

Proxima は数カ月前、€4億1100万の資金調達ラウンドを完了しており、資金力では核融合スタートアップ上位に位置する。同社はドイツに拠点を置き、ヴェンデルシュタイン型のステラレーター設計をベースとした炉の開発を進めている。

HTSテープの需要は核融合業界以外でも拡大しており、米国のVeirはデータセンターの電力密度向上のため同材料を活用中だ。AI 需要に伴う電力インフラ整備が加速する中、HTSをめぐる争奪戦は今後さらに激しさを増す可能性がある。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →