Listen Labs、15億ドル調達を破棄しSalesforce買収交渉へ

原題: AI research startup Listen Labs scrubbed a $1.5B funding round for Salesforce talks

なぜ重要か

AI市場調査分野の急成長を示す事例であり、SalesforceによるAIスタートアップ買収の動向はCRM業界の競争構造に影響を与える可能性がある。

AIを活用した市場調査スタートアップのListen Labsは、Menlo Ventures主導による1億2500万ドルのシリーズC(企業価値15億ドル)のタームシートに署名後、同ラウンドを破棄した。その背景には、SalesforceによるListen Labsの約20億ドルでの買収交渉があるとみられており、複数の関係者がTechCrunchに証言した。

Listen Labsは、音声AIを活用して顧客インタビューを自動化する市場調査スタートアップで、2023年にFlorian Jüngermann氏とAlfred Wahlforss氏がハーバード大学大学院在学中に共同創業した。同社は最近、Menlo Venturesを主幹事とする1億2500万ドルのシリーズC(企業価値15億ドル)のタームシートに署名したが、その後ラウンドを閉じることなく離脱した。VCの間ではタームシート締結後の破棄は異例かつ好ましくない行為とされており、注目を集めている。

ラウンド破棄の主因とみられるのが、SalesforceによるListen Labsの買収交渉だ。Business Insiderの報道によると、Salesforceは同社を約20億ドルで買収する協議を進めているが、交渉は未確定であり、合意に至らない可能性もある。

Listen Labsは設立3年で年間収益は約3000万ドルに達しており、競合のSimile(人間行動予測スタートアップ)の約3倍に相当するという。Simileは2026年7月下旬にGreenoaks主導で20億ドル評価額のシリーズBを完了しており、これがListen Labsの新たな評価基準を設定したと関係者は指摘する。Salesforceとの交渉が決裂した場合、複数のVCはListen Labsが20億ドル以上の評価額での資金調達市場に戻ると予想している。

買収が実現すればSalesforceはAI機能を強化し、顧客ニーズの予測に活用できるメリットがあるが、Salesforceへの売却交渉経験を持つ関係者は「収益の67倍という評価倍率は高すぎる」と指摘する。

Listen Labsの技術は、サーベイ設計から顧客への音声・動画インタビュー実施、レポートやPowerPoint資料の生成までを自動化し、従来の人手による市場調査に比べてコストと時間を大幅に削減する。顧客にはMicrosoft、Canva、Anthropic、Sweetgreenなどが名を連ねる。Listen Labs、Salesforce、Menlo Ventures、Simileのいずれもコメントに応じていない。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →