OpenAI、2028年大統領選に向け政策提言
原題: OpenAI is already trying to shape the 2028 election
なぜ重要か
AI企業が選挙政策形成に直接関与しようとする動きは、規制の方向性や業界全体の事業環境に大きく影響しうる。
OpenAIの最高グローバル政策責任者Chris Lehaneは、2028年米大統領選挙がAIにとって重要な転換点になるとの見方を示す新論文を発表した。論文では労働者保護・教育・AI安全・データセンター開発など5つの政策優先事項を提示。2026年中間選挙で民主党が議会を奪還した直後のタイミングでの公表となった。
OpenAIのChris Lehaneは新たに公開した論文の中で、現在のAIをめぐる経済的不安を1930年代の大恐慌後の状況に重ね合わせ、フランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策になぞらえた「第三の道」を政治家に求めた。提言の柱は労働者保護、教育、AI安全性、データセンター整備など5項目で構成される。
この論文が公開された背景には、民主党が物価高への有権者の不満を追い風に議会支配を奪還した2026年中間選挙の結果がある。データセンターへの反対は党派を超えた争点として複数の選挙区で浮上しており、AI問題が2028年に向けてさらに大きな議題になるとLehaneは予測する。
AI Now InstituteでAI・企業権力政策を担当するKate Brennanは、昨年のOpenAIの政策姿勢がAI開発加速・規制緩和・インフラ拡張に集中していたのと比べ、今回の論文は「注目すべき変化」だと指摘する。一方で批判も鋭い。Brennanは「ニューディールのメタファーを使うことは、公益のために国家機能を発揮させることを意味する。しかしこれは自社の利益のために政策提言をしている民営企業が書いたものだ。最善に解釈しても歴史的に不正確であり、最悪の場合は有害だ」と語った。
Lehaneの提案の多くはAI普及促進とインフラ拡張を後押しする内容で、OpenAI自身の成長にも直結する。インフレや関税、生活費上昇が主要課題となりつつある2028年選挙において、AIによる電気代の上昇や雇用喪失、経済的恩恵の一極集中といった懸念が有権者の間で広がる中、Lehaneは将来的な繁栄の手段としてAIを位置づけるものの、利益の集中を防ぐ具体的な提案は乏しいと記事は指摘している。