MetaのAI専用チップ、9月に量産開始へ
原題: Meta’s new AI chips will begin production in September
なぜ重要か
MetaのAI専用チップ量産開始は、NvidiaへのGPU依存低減と自社AI基盤の垂直統合化を進める業界的転換点となる。
Metaが独自開発するAI専用チップの最新版が2026年9月に量産を開始する見通しであることが、Reutersが入手した社内メモで明らかになった。チップ設計はBroadcomと共同で行い、製造はTSMCが担当する。RAMはSamsung、ストレージはSandisk、光ファイバー機器はSumitomo Electricから調達する。
Metaは、前例のない半導体不足の中でGPU調達コストを削減する目的で、「Meta Training and Inference Accelerator(MTIA)」プログラムの下で開発した新世代AI専用チップの量産を9月に開始する予定だ。Reutersが入手した社内メモによると、少なくとも1種類のチップが約6週間でテスト工程を通過したという。
Metaは2026年3月に4種類の新チップを発表しており、一部はすでに展開中、または今年から来年にかけて展開される予定だ。同社はチップ設計にモジュール方式を採用しており、「MTIAの各世代はモジュール式チップレットを使用し、最新のAIワークロードへの知見とハードウェア技術を取り込み、より短いサイクルで展開する」と説明している。
MTIAチップは、ランキング・レコメンデーションアルゴリズムのモデル訓練、広範なAIワークロード、および同社アプリ向け推論処理に使用される見込みだ。MetaはNvidiaやAMDからのGPU購入を完全に代替するわけではなく、引き続き両社への発注も続けるとしている。
Metaは2025年4月に今年の設備投資額を1,250億〜1,450億ドルと見込むと発表しており、その大部分がAI関連投資に充てられる。同社は「Muse Spark」シリーズのAIモデル訓練・展開向けに世界中でデータセンターや電力確保の契約を締結している。今年7ギガワットの計算能力を展開し、来年はその倍を目指す計画だ。また、ARMとのコンピューティング確保契約、AMDのInstinct GPU向け数十億ドル規模の契約、AmazonのクラウドネイティブCPUを活用する契約なども締結済みだ。
AI向け独自チップ開発の動きはMeta以外にも広がっており、OpenAIはBroadcomと協力した推論プロセッサを発表、AnthropicはSamsungとの自社チップ開発を検討中とされる。AmazonとGoogleはすでに独自チップを展開している。なお、Metaはコメントを控えた。