欧州初の量子上場企業IQM、技術の将来性に不確実性を認める

原題: IQM, Europe’s first public quantum company, admits the future of the tech is uncertain

なぜ重要か

欧州初の量子企業の公開市場デビューは、量子コンピューティング産業の商業化段階と投資家の期待値を測る重要な指標となる。

フィンランドの量子コンピューター企業IQMは2026年7月3日、SPAC合併を通じてNasdaqに約19億ドルの評価額で上場した。しかし株価はIPO価格を下回る展開が続いた。同社は目論見書の中で「量子コンピューティング技術が大規模な商業的普及を実現しない可能性がある」と自ら認めており、投資家の慎重な反応を招いた。

IQMは2018年にフィンランドのAalto大学からスピンアウトして設立された量子コンピューター企業で、物理的なコンピューター本体の販売とクラウドサービスの提供を行うフルスタック企業だ。今回のNasdaq上場はSPAC合併によるもので、評価額は約19億ドル。ティッカーシンボルは「IQMX」。翌日にはNasdaq Helsinkiへの上場も予定されており、フィンランド政府系ファンドのTesiなどからの支援を引き続き受ける見込みだ。

同社の顧客はフィンランドのVTT技術研究センターやドイツのLeibniz Supercomputing Centreなど。顧客数は2024年の8社から2025年には22社へと増加しており、直近では民間企業2社が加わった。CEO兼共同創業者のJan Goetz氏はTechCrunchに対し「超高性能コンピューティングセンターやデータセンターにコンピューターを販売し、クラウドを通じて計算時間を提供している」と述べた。

一方、同社の目論見書には「量子コンピューティング技術の大規模な商業的普及は実現しない可能性がある」という警告が明記されている。これは業界全体に共通するリスクだが、上場初日の株価低迷の一因と見られている。量子優位性(量子チップが古典的コンピューターを幅広い複雑タスクで上回る状態)の実現時期については、量子コンピューターを製造している企業でさえ明言できない状況だ。

米国ではトランプ大統領が量子技術の加速を促す大統領令を発令しており、米エネルギー省(DOE)は2028年までに「世界初のフォールトトレラント量子コンピューター」を配備すると表明。IQMはメリーランド州に量子技術センターを設立し、DOE傘下のOak Ridge国立研究所にもコンピューターを導入しており、Goetz氏はこの政策から「直接恩恵を受けられる」と述べた。

社員420人のうち3分の2はEspooに、約100人はミュンヘンに在籍しており、欧州を拠点としながらグローバル展開を進めている。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →