米国境で携帯データ削除し重罪起訴
原題: Felony charges for citizen deleting phone data at US Border
なぜ重要か
国境での電子機器検査とデータ削除行為への重罪適用は、市民のプライバシー権と当局の捜査権限の境界線を巡る判例形成に影響する可能性がある。
米国の市民が国境検問所で携帯電話のデータを削除したとして、重罪(フェロニー)で起訴された。New York Timesが報じた。被告はSamuel Tunickとみられる。米国境での電子機器検査をめぐる法的権限と市民の権利の衝突が改めて問われている。
New York Timesの報道によると、Samuel Tunickという人物が米国の国境において、携帯電話内のデータを削除したことを理由に重罪(フェロニー)で起訴された。
米国では、Customs and Border Protection(CBP)が国境において令状なしで電子機器を検査する権限を持つとされており、当局はこの権限に基づき渡航者のスマートフォンやノートパソコンなどを検査してきた。こうした検査に対し、市民がデータを削除したり、端末のロックを解除しないケースが問題となっていた。
今回のケースでは、当局がデータの削除を証拠隠滅や捜査妨害にあたると判断し、重罪として起訴したとみられる。詳細な罪状や起訴の根拠となる法律については報道の範囲で明らかにされていないが、重罪起訴は禁固1年以上の刑事罰が科される可能性がある重大な起訴であり、司法当局の強硬な姿勢を示している。
近年、トランプ政権下での国境警備強化を背景に、CBPによる入国者・市民への電子機器検査件数が増加傾向にあり、プライバシー権や市民的自由をめぐる議論が高まっている。アメリカ自由人権協会(ACLU)などの団体は、令状なし検査の合憲性に異議を唱えており、こうした起訴はさらなる法廷闘争の引き金となる可能性がある。