NYタイムズがOpenAI著作権訴訟に2000万ドル超投入
原題: Can the New York Times Save Journalism From Our AI Overlords?
なぜ重要か
メディア大手がAI企業への法的対抗に巨額投資を継続しており、著作権とAI学習データをめぐる業界規範の形成に影響を与える先例となり得る。
ニューヨーク・タイムズの発行人A.G. Sulzbergerは、2023年にOpenAIおよびMicrosoftを著作権侵害で提訴した訴訟に既に2000万ドル以上を費やしていることを明らかにした。同紙の購読者数は1300万人を超え、Sulzbergerは訴訟継続の意志を示している。2026年7月にWIREDが実施したインタビューで語った内容。
ニューヨーク・タイムズの発行人A.G. Sulzbergerは、WIREDのインタビューで、OpenAIおよびMicrosoftを相手取った著作権侵害訴訟への現在の投資額が2000万ドル(約30億円)を超えていることを認めた上で、訴訟を継続する方針を明言した。
2023年に提起されたこの訴訟は、OpenAIとMicrosoftがニューヨーク・タイムズのジャーナリズムをAIモデルの学習に無断で使用したと主張するもの。現在もディスカバリー(証拠開示)手続きをめぐる申し立てが続いており、解決には至っていない。
Sulzbergerは、この訴訟をタイムズ単体の問題としてではなく、ジャーナリズム全体を守るための戦いと位置づけている。同氏は、AI企業がユーザーの情報収集・消費方法を根本的に変えつつある中、それらの企業が依存しているジャーナリズムそのものを危機にさらしていると指摘した。
同紙はビジネス面では過去最高水準にあり、購読者数は1300万人を突破。ニュースルームは業界内でも最も安定した組織の一つとして評価されている。一方でSulzbergerは、プレスの自由に対するトランプ政権の圧力についても言及した。司法省が複数のタイムズ記者に対してサブポーナ(召喚状)を発行し、カタールからトランプ政権に贈られたジェット機(Air Force One転用予定)に関する報道をめぐって記者やその家族の通話・メッセージ記録の取得を試みていることを「数世代で最大規模の報道機関攻撃」と批判した。
また、Sulzbergerはニュースルーム内部でのAI活用についても語り、競合他社と激しく競争しつつも、ジャーナリストやメディア幹部が連携する必要があるとの考えを示した。