GoogleとAmazonのAI環境コストが鮮明に
原題: A warning sign about AI’s real cost, courtesy of Google and Amazon
なぜ重要か
AIインフラ拡大が大手テック企業の気候目標に与える影響が定量化され、業界全体のサステナビリティ戦略の見直しを迫る重要な事例となっている。
GoogleとAmazonが今週発表したサステナビリティ報告書によると、Googleの総炭素排出量は前年比25%増、Amazonは同16%増となった。両社はAIの需要増大に伴うデータセンター拡張を背景に、それぞれが掲げるネットゼロ目標の達成が困難になっている状況が明らかになった。
GoogleとAmazonは2026年7月、それぞれのサステナビリティ報告書を公表した。両社の炭素排出量は大幅に増加しており、GoogleはAIによるエネルギー消費増大の影響でスコープ3排出量が前年比で210万メトリックトン増加し、2019年比で2倍に達した。Amazonのスコープ3排出量も資本財や燃料・エネルギー関連を中心に急増している。
両社とも報告書の中でAIを直接の原因とは明記していないが、AIの利用拡大に伴いエネルギー消費が大幅に増加したことは認めている。また、排出量の増加は直接的なエネルギー購入によるものではなく、主に「スコープ3」と呼ばれる間接排出カテゴリーに起因している。スコープ3には、GPU購入やデータセンター建設などの資本財が含まれる。
Amazonは2025年に他社を上回るデータセンター容量を世界規模で追加し、第4四半期だけで1.2ギガワット(GW)以上を追加したと報告書内で明らかにした。一方、GoogleはすでにAIの電力需要に対応するため天然ガス発電所への投資を開始しており、これまで再生可能エネルギーの調達で維持してきた直接排出抑制策の効果が今後薄れる可能性が指摘されている。
両社は報告書の中でAIが環境問題の解決にも貢献できると強調しているが、実際の排出データはその主張と相反する傾向を示している。カーボン・インテンシティ(収益1ドル当たりの排出量)という指標を用いた説明も見られるが、絶対的な排出量は増加の一途をたどっており、ネットゼロ目標達成に向けた対応が急務となっている状況だ。