X、豪16歳未満SNS禁止法が国際法に抵触と主張
原題: X Says Australia’s Under-16 Social Media Ban Risks Interfering With Foreign Law
なぜ重要か
各国政府による未成年者のSNS規制強化の動きが広がる中、プラットフォームと規制当局の対立が国際法上の新たな論点を生み出している点で業界全体への影響が大きい。
Xは2026年7月29日、オーストラリア議会への提出文書で、16歳未満のSNS利用禁止を強化する同国の法改正案に反対する意見を公表した。Xは同提案が不要かつ不公平であり、プラットフォームへの「高度に侵襲的な」情報収集権限が国際法上の「国家礼譲」に反するリスクがあると主張。オーストラリアは2024年12月に16歳未満のSNS利用を禁止し、2025年5月にはXへ46万3,000ドルの罰金を命じている。
Xは2026年7月29日、オーストラリア議会に提出した文書の中で、16歳未満のSNS利用禁止措置を強化する同国の法改正案を撤回するよう政府に求めた。Xはイーロン・マスク氏のSpaceX傘下にある。
提出文書でXは、未成年者のアクセス遮断への取り組みを各プラットフォームに証明させようとする提案について「不要、不適切、不公平であり、プライバシー権を侵害する可能性がある」と批判した。特に、規制当局が持とうとしている「高度に侵襲的な」情報収集権限に反発し、コミッショナーがプラットフォームの仕組みに「理解がない」とも指摘。他国在住の非オーストラリア人にデータや文書、コンプライアンス証拠の提出を求める行為は「国家礼譲(comity of nations)」に問題を生じさせると警告した。
オーストラリアは2024年12月に16歳未満のSNS利用を禁止しており、子どもに対するSNSアクセス制限の世界的な動きを主導する立場にある。同国のインターネット規制当局eSafetyは2023年、オンライン上の児童性的虐待コンテンツへの対応に関する情報提供要求にXが十分に応じなかったとして罰金を科し、2025年5月に46万3,000ドルの支払いを命じた。Xはこれ以前にも同国の「過剰な」罰則制度を批判しており、今回の提出文書でも個人への罰則強化を「まったく正当化できず不均衡だ」と主張した。
マスク氏は2024年末に同法案が発表された際、「すべてのオーストラリア人のインターネットアクセスを管理する抜け道のように見える」とX上に投稿。スペインのサンチェス首相が同様の措置を発表した際には「独裁者」「真のファシスト全体主義者」と呼んだ。
一方、Queen Mary University of LondonのJulia Hörnle教授はXの主張に懐疑的で、「オーストラリアの規制当局がオーストラリアでのビジネス活動に関連する文書の開示をXに命じることは、まったく問題ない」とWIREDに述べた。国際法・技術研究者のStefania Di Stefano氏は、情報収集権限そのものより、未成年者の完全SNS禁止が表現の自由や情報へのアクセス権という国際人権の観点から「不均衡」だと指摘している。