Trajectory、4500万ドル調達でAI再学習を民主化

原題: Trajectory raises $45M to make AI model training accessible to nontechnical experts

なぜ重要か

FDE依存からの脱却を可能にするノーコード型ポストトレーニング市場は、AI商用化の次の競争軸として注目度が高まっている。

AI企業のTrajectoryは2026年11月2日、Sequoia主導のシリーズAラウンドで4500万ドルを調達し、企業価値は3億ドルに達した。NvidiaやBessemer Venture Partners、Bain Capital Venturesも参加。Stanford出身の3人が約1年前に創業した同社(18名体制)は、非技術者でもAIモデルを継続的に改善できるプラットフォームを開発している。

AIモデルは一般に、追加トレーニングなしでは自らの失敗から学べない。法律や金融など専門分野へ応用する場合、企業は通常、内部リサーチチームを雇用するか、「forward-deployed engineers(FDE)」と呼ばれる高額コンサルタントに依存せざるを得なかった。

Trajectoryが提唱するのは「continual learning(継続的学習)」だ。企業はオープンソースのAIモデルを起点に、同社プラットフォームを自社アプリケーションへ接続する。プラットフォームはモデルの動作に対するフィードバックを収集し、そのデータをもとにモデルを再トレーニング。専門タスクでの精度を自動的に高めていく仕組みだ。

共同創業者のRonak Maldeは基盤モデルを「常に新しい職場に就く優秀な博士課程の学生」に例え、「経済が評価するのは30年間同じ仕事をこなしてきた人材だ」と語った。弁護士や医師などの専門家自身がほぼ自動でモデルを改善できるようになることを目指している。

HarveyやRogoなどの企業はすでにTrajectoryを活用し、特定の契約書審査や企業評価手法を学習させた専門特化モデルを構築している。Decagon、Mercor、Nvidiaも顧客に名を連ねる。同社は今回の発表に合わせ、ポストトレーニングプラットフォームを一般公開した。

安全性の観点では、共同創業者のMichael Elabdが「人間がトレーニングプロセスに関与し続けることで、自律的な自己改善が招きかねない意図しない結果を回避できる」と強調した。競合としては元OpenAI CTOのMira MuratiによるThinking Machines Labなどが挙げられる。Google DeepMindとAppleでの経験を持つ創業チームが率いる同社にとって、今回の調達は事業拡大の本格フェーズへの移行を意味する。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →