ValveエンジニアがLinux旧AMD GPUを大幅改善

原題: The work by Valve's Timur Kristóf on improving old AMD GPUs on Linux

なぜ重要か

AMD非サポートの旧世代GPUをValve社員が独力で延命させた事例は、オープンソース主導のハードウェア長寿命化モデルの実例として業界に示唆を与える。

ValveのLinuxグラフィックスドライバチームに所属するTimur Kristóf氏が、約10年前のAMD GCN 1.0/1.1世代のGPUをAMDGPUカーネルドライバへ移行・最適化する取り組みを進めてきた。2026年10月、カナダ・トロントで開催されたXDC2026にて同氏がその成果を発表。Linux 6.19では旧Radeon GPU向けに約30%のパフォーマンス向上が確認されている。

ValveのLinuxグラフィックスドライバチームに所属するTimur Kristóf氏は、過去1年以上にわたってAMDGPUカーネルドライバの改善に取り組み、約10年前のGCN 1.0/1.1世代のAMD製GPUおよびAPUのLinux対応を大幅に向上させた。

同氏はもともとユーザー空間側のMesa 3Dドライバコードを長年担当していたが、カーネルドライバ開発の練習として本プロジェクトを開始。古いRadeon GPUをレガシーな「Radeon」ドライバから現代的な「AMDGPU」カーネルドライバへ移行させることで、RADV Vulkanドライバの利用、パフォーマンス向上、各種機能の改善が実現した。

移行作業の過程では、旧世代GPU向けAMDGPUのディスプレイコードに存在するバグへの対応、電源管理の問題修正、さらにソフトリセットのサポート追加など多岐にわたる改修を実施。これらの取り組みにより、Linux 6.19において旧Radeon GPU向けの約30%のパフォーマンス向上が報告されている。

AMD自身はこれら旧世代GPUのドライバ改善にほとんどリソースを割いておらず、Kristóf氏がその空白を補う形となっている。2026年10月のXDC2026(トロント開催)では、Kristóf氏が自身の取り組みを詳細に解説するプレゼンテーションを実施し、発表動画とPDFスライドが公開された。プレゼンでは、AMDGPUカーネルドライバ開発への参入経緯や、オープンソースドライバ開発に関心を持つ人向けの知見も共有されている。

出典

phoronix.com — 元記事を読む →