FTCとJohn Deereが和解、修理する権利運動が大きな前進
原題: The FTC Settlement With John Deere Is a Huge Win for the Right-to-Repair Movement
なぜ重要か
修理する権利を巡る10年以上の争いに法的決着がつき、農業・製造業・IT分野における独占的修理慣行への規制が強化される先例となり得る。
米連邦取引委員会(FTC)は2026年7月8日、トラクターメーカーJohn Deereとの和解を発表した。2025年の訴訟に基づくもので、農家やサードパーティの修理業者がJohn Deere正規ディーラーと同等の修理ツール・ソフトウェアへアクセスできるよう義務付け、今後10年間FTCが監視する内容となっている。
FTCは2026年7月8日、農業機械メーカーJohn Deereとの和解を正式に発表した。2025年に提起された訴訟では、John Deereが「農機の修理サービス市場において独占的な力を不法に取得・維持した」と告発されていた。
和解の主な内容として、John Deereは農家およびサードパーティの修理業者に対し、正規ディーラーが利用できるのと同等の修理機器・ツール・ソフトウェア機能へのアクセスを提供することが義務付けられる。具体的には、エラーコードの読み取りやリセット、他のソフトウェアとのペアリングといった機能が含まれる。これらへのアクセス制限により、農家は機器の故障診断に遅れが生じ、収穫の遅延につながるとして長年問題視されていた。この義務は今後10年間、FTCの監視下に置かれる。
FTCによる取り組みは2021年、当時委員長だったリナ・カーン氏のもとでバイデン政権時代に始まった。また2022年に提起された別の集団訴訟では、John Deereは2026年4月に9900万ドルの支払いに合意しているが、修理擁護派はFTCとの今回の和解の方が農家にとって実質的な恩恵が大きいと評価している。
John Deere側は声明で「今回の合意は当社がこれまで進めてきた取り組みと一致しており、修理オプションの柔軟性向上に向けた継続的なイノベーションを強化するものだ」と述べた。
修理擁護団体Repair.orgの理事Willie Cadeは「長年の闘いの末、この命令は農家に本物の希望を与えてくれる。ただし紙の上の約束が農家の手元のツールになるよう、実施状況を逐一見守っていく」とコメントした。消費者団体US PIRGも「農家が自分の機器を修理できる選択肢が増えた」と歓迎する声明を発表した。