分散型コードフォージ「Tangled」が大型アップデート
原題: The federated code forge
なぜ重要か
AT Protocolによる分散型コードフォージという実験が本格的な多地域展開に進んだことで、GitHubに代わるオープンインフラの現実性が高まった。
AT Protocolを基盤とする分散型コードフォージ「Tangled」が、2026年10月30日に大規模なアーキテクチャ刷新を発表した。フロントエンドをSvelteで全面再設計し、RustによるインメモリIndexerサービス「bobbin」を11以上のリージョンに展開。Issues・Pull Requestなどのデータをリポジトリ内にGitオブジェクトとして格納する新データモデルを導入した。
GitHubをはじめとする中央集権型コードフォージへの依存に対する代替として、Tangledは「オープンプロトコルの耐久性と、使いやすい専用フォージの利便性を両立する」を掲げて開発されてきた。今回のリリースはその方向性を大きく前進させるものだ。
アーキテクチャ面では、これまでGoのモノリス「appview」が担っていたAT Protocolインデックス、キャッシュ、UI描画をすべて一台のSQLiteサーバー(スウェーデン設置)でまかなっていた。この構成は物理的に近いユーザーには問題なかったが、大多数のユーザーにとってレイテンシが課題だった。
新アーキテクチャでは、Svelteによるフロントエンドをエッジデプロイし、Rust製のディスクレス・フルインメモリIndexer「bobbin」が世界11リージョン以上に展開される。bobbinはAT Protocolデータの読み取り専用処理に特化し、その他の機能は専用サービス群に分離した。
データモデルも刷新された。レコード名前空間が旧「sh.tangled.*」から「org.tangled.*」へ移行。Rustで再実装されたKnotサーバー「Knot2」は、カスタムGitサーバーとSSHサーバーを単一バイナリに統合。Issues・Pull Request・コメント・リアクション・ラベルは「Collaborative Objects(COBs)」としてリポジトリ内のGitオブジェクトチェーンに直接格納される。コードとメタデータが同一リポジトリで完結する設計は、フォーク先や自己ホスト環境でもデータが追随できる点で従来のフォージと大きく異なる。
自己ホストの柔軟性も強調されており、GitホスティングやCIランナーだけを単体で運用することも、APIサーバーとUIを含む全スタックの自己ホストも可能だ。Cloudflare WorkersとArtifactsを使ったカスタム実装例や、mitchellh.com/tackのような独自「spindle」も紹介されており、エージェント(AIエージェント)による拡張を念頭に置いた設計になっている。