Satlyt、衛星上でAI実行へ800万ドル調達
原題: Satlyt, founded by a former Google and SpaceX product manager, raises $8M to run AI on satellites
なぜ重要か
衛星上でのエッジAI処理は、地上回線依存を減らす次世代宇宙インフラとして各国政府・商業宇宙双方の需要を取り込む成長領域だ。
Google・SpaceX出身のRama Afullo氏が共同創業したスタートアップSatlytは、衛星上でAIモデルを動作させるソフトウェアの開発に向けて800万ドルのシードラウンドを調達した。本社はカリフォルニア州サニーベールとナイロビに置く。同社のソフトウェアは2026年10月1日、SpaceXのロケットでGoogleの宇宙データセンター実証機「Project Suncatcher」と同時打ち上げ予定だ。
Satlytの創業者Rama Afullo氏は、Googleのクラウド事業とSpaceXのStarlinkで勤務した経験を持つケニア系アメリカ人エンジニアだ。在籍中に「宇宙上での大規模コンピューティング」を社内提案したが、両社ともに却下。2024年にSpaceXを退社し、Satlytを立ち上げた。「SpaceXでもGoogleでも提案したが、どちらもノーだった」とAfullo氏は語る。
同社のアプローチは、自社衛星を持たない点が特徴だ。SpaceX・Google・Starcloud・Cowboy Space Companyといった競合が独自の宇宙機を開発するのに対し、SatlytはVMwareやSnowflakeになぞらえたソフトウェアプラットフォームを志向する。複数の衛星メーカーの機体をまたいで動作できる「Android的な水平統合モデル」として、宇宙インフラを問わずAIを実行できる環境の構築を目指す。
実績も出ている。今年初め、Momentusが運用する宇宙機にGoogle DeepMindのGemmaモデルを搭載し、機体のソフトウェアエラーに関するダウンリンクデータ量を60%以上削減した。地上への送信コストは高く、宇宙機上でAIが判断を下せれば衛星1機あたり年間数十万ドルの節約につながりうるとAfullo氏は説明する。
今回の打ち上げでは、インドのTakeMe2Spaceが製造した宇宙機にSatlytのソフトウェアが搭載される。同ミッションには、宇宙でのクラウドコンピューティングプロトコルのテストを発注したNASAを含む3顧客が参加している。すでに2回のデモ飛行を経ており、今週の打ち上げはSpaceXロケットにGoogleのProject Suncatcherと相乗りする形となる。