Benchmark、31年史上2度目の巨大ファンド組成
原題: No agenda, no rush, no leaving San Francisco: Benchmark’s partners on investing in a frenzied market
なぜ重要か
老舗VCがグロースファンドを初導入したことは、アーリーステージ特化モデルの限界と市場の資金規模拡大を如実に示す。
Benchmark Capitalは2026年夏、総額20億ドルの2本のファンドを発表した。同社31年の歴史で小規模ファンドから逸脱するのはこれが2度目。コアファンド7.5億ドル、グロースファンド12.5億ドルで構成され、パートナー5名はTechCrunch Disrupt 2026の壇上で、ペースを落とさず年2〜3件の投資方針を維持すると明言した。
Benchmarkは今夏、コアファンド7.5億ドルとグロースファンド12.5億ドルを合わせた計20億ドルの資金調達を発表した。同社がこれほど大きな規模で資金を集めるのは31年の歴史でわずか2度目だ。
壇上に揃ったパートナー5名が強調したのは、規模拡大にもかかわらず「変えないもの」の多さだった。毎週月曜のパートナー会議にはいまもアジェンダがなく、各パートナーが年間に新規投資するのは2〜3件に絞る。競合他社が積極的に投資ペースを上げる中でも、このスタンスは崩さないと言い切った。
パートナーのPeter Fentonはコアファンドについて「ファウンダーとの10〜15年に及ぶ肩を並べた関係は、スケールしない」と説明。コアファンドを500億ドルで20年間据え置いてきた理由を振り返りつつ、それを「戦術的な誤り」と認めた上でインフレへの対応として引き上げたと述べた。
グロースファンドに関しては「過去にBenchmarkに来た案件が10〜1,000倍のリターンを生んだはずなのに、アーリーステージ専業の縛りで見送らざるを得なかった」と背景を説明。Fentonは同ファンドでの投資件数として「4〜8件程度、うち1〜2件が90%のリターンを生む集中ポートフォリオを目指す」と語った。JP Morganのレポートに言及し「苦悩と恍惚が共存する集中投資」という表現を用いた。
昨年末に加入したパートナーEv Randallは、Founders Fund、Bond、Kleiner Perkinsを経て入社した経緯を持つ。また、3年前のインタビューで登場した4名のパートナーのうち3名はすでに退社しており、チームの刷新も進んでいる。経済の不確実性については、X(旧X)上で増幅された「ヒステリー」の産物と見なす場面もあり、過度な懸念を示さなかった。