危険なパイプ締結作業をロボットで自動化、Nexterityが挑む

原題: Nexterity wants to automate the hard, dangerous part of pipefitting

なぜ重要か

産業インフラ向けの特化型ロボットは市場が巨大でも参入が遅れており、レンタルモデルによる低導入障壁は普及加速の試金石になりうる。

スタートアップのNexterityは、石油・ガス・石油化学プラントのパイプ継手ボルト締め作業を自動化するリモート操作ロボットを開発した。創業者のLindsey Elliott氏はExxonMobilの元エンジニアで、TechCrunch Disrupt 2026のStartup Battlefield 200に選出。北米のパイプフィッター業界が抱える労働力不足と低生産性、高い負傷リスクに対応するソリューションとして提案している。

Nexterityを創業したLindsey Elliott氏は、ExxonMobilでエンジニア・プランナーとして長年勤務した経験を持つ。同氏が着目したのは「ボルテッドフランジジョイント」と呼ばれるパイプ接続部のボルトだ。このボルトの締め付けと緩めは重労働で、パイプフィッターの負傷原因の大きな部分を占める。さらに業界は慢性的な人手不足に悩んでおり、Elliott氏によれば「1日12時間、3カ月連続勤務を求められる作業員が疲弊している」という。米国・カナダのパイプフィッターたちから「北米のパイプフィッティング生産性は悪名高いほど低い」との声を繰り返し聞いたことが、同社設立の直接的な動機になった。

Nexterityが開発したロボットはパイプを挟む2ピース構成で、バッテリー駆動。パイプに装着後はスライド移動しながら、一度に4本のボルトを素早く締めたり緩めたりできる。複数のサイズ構成があり、いずれもPelicanケースに収まって1人の作業員が運搬できる。この携帯性を生かし、同社は建設機器のレンタルモデルでのビジネス展開を想定している。

設計の根拠は業界データに基づいている。米国機械学会(ASME)の圧力容器・配管部門のメンバーや、毎年開催される「ボルティング・シンポジウム」参加者との対話を通じてElliott氏が把握したのは、パイプの約80%が直径2〜8インチ(NPS2〜NPS8)の範囲に集中しているという事実だ。規格の繰り返し性が高いほど自動化に適しているという論理で、このサイズ帯を最初のターゲットに設定した。

Elliott氏は「多くの人がパイプインフラの市場規模に驚くだろう」と述べており、石油・ガス・石油化学分野のメンテナンス需要は大きく、まだ自動化が進んでいない領域が残っていると強調する。Nexterityは今回のTechCrunch Disrupt 2026でStartup Battlefield 200に選ばれており、注目度は高まっている。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →