NASAがエリック・シュミット傘下のロケット企業を火星ミッションに選定

原題: NASA picks Eric Schmidt’s rocket company for Mars mission, setting up a race with SpaceX

なぜ重要か

火星探査における民間企業の役割拡大を示す重要な事例。官民パートナーシップモデルが深宇宙ミッションにまで広がり、商用宇宙産業の成熟を促進する可能性を示唆している。

NASAは2026年6月17日、エリック・シュミット前Google会長が買収したロケット企業「Relativity Space」を火星探査ミッションに採用すると発表した。同社は火星大気の塵、風、温度を測定する4つの科学機器を搭載した宇宙機を設計・構築し、2028年の打ち上げを目指す。この契約はSpaceXとのISS補給契約と同様の官民パートナーシップモデルである。

NASAが火星探査ミッション「Aeolus」の実施パートナーとしてRelativity Spaceを選定した。同社は火星軌道から大気のデータを毎日グローバルで測定・画像化する4つの科学機器を搭載した宇宙機を製造し、打ち上げまで行う。NASA管理者ジャレッド・アイザックマンは「NASAの世界的に優れた科学機器と商用イノベーションを組み合わせることで、より多くの科学データをより迅速に得られる」とコメントした。

2028年の打ち上げに向けた緊密なスケジュールの中で、Relativity Spaceは探査機の設計・製造とロケット開発を完成させる必要がある。NASAは契約額を非公開としており、Relativity Spaceも具体的な金額について回答していない。

この取り組みはSpaceXとISSの補給契約やFirefly AerospaceとのMoon着陸機契約と同じ構造で、政府機関が科学を担当し、民間企業が低コストインフラを提供するモデルである。民間企業は開発コストの一部を負担する代わりに、衛星打ち上げや月面での貨物配送など商業用途での機会を得られる。

Relativity Spaceは2015年にSpaceXとBlue Originの元エンジニアによって創業され、3Dプリンティング技術を用いたより安価なロケット開発を目指してきた。同社の初期設計「Terran-1」は2023年3月に打ち上げられたが中途で失敗。その後、より大型の「Terran R」に移行したが、資金調達の課題に直面し、シュミットが昨年同社の過半数株式を取得した。

ただし、Relativity Spaceは実績がなく、このミッションが成功する保証はない。NASA官民パートナーシップの過去の事例では破産したり、月着陸機が不具合を起こしたりしたケースもある。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →