インド起業家、AI版Officeに私財30億円を投入
原題: Indian tech tycoon bets $30M of his own money to build AI alternative to Microsoft Office
なぜ重要か
AI時代に向けた業務ソフトウェアのゼロベース再設計という潮流を示し、Microsoft・Google対抗の新勢力台頭を確認できる事例として注目される。
インドの連続起業家Bhavin Turakhia氏(46歳)は2026年7月1日、個人資金3000万ドル(約45億円)を投じてAI時代向けのエンタープライズ業務プラットフォーム「Neo」を立ち上げた。プロジェクト管理・文書・ファイルストレージ・AIを一体化した製品で、Microsoft Officeなど既存ソフトウェアに代わるゼロベース設計を掲げる。
Turakhia氏はDirecti、Radix、Titan、銀行ソフトウェア企業Zetaなど複数の企業を共同創業してきたシリアルアントレプレナーで、いずれも自己資金でスタートさせた実績を持つ。今回のNeoも同じアプローチを採用している。
Neoは2026年4月に社内向けとして稼働を開始。現在はZetaを含むTurakhia氏傘下の各社で内部利用されており、今後数カ月以内にテクノロジー・コンサルティング・専門サービス業界の中堅企業向けにロールアウトを計画している。
製品の最大の特徴はAIを単なる補助ツールとして追加するのではなく、設計段階からAIを中核に据えた点だ。またモデルに依存しない(モデルアグノスティック)設計により、企業は特定のAIプロバイダーに縛られることなくモデルを切り替えられる。
Turakhia氏はMicrosoftやGoogle、Salesforceといった大手が既存製品にAIを後付けしている点を「構造的な不利」と表現し、「iPhoneを作りたいなら、Nokiaのパーツを改造しても作れない」と語った。
初期プラットフォームはAIを活用した開発プロセスにより約3カ月で構築。生成AI以前であれば、より大規模なエンジニアチームで1年以上かかったとTurakhia氏は推計している。現在の従業員数はベンガルール拠点で約45名。
市場シェアについては「エンタープライズソフトウェアは勝者総取りの市場ではない。世界のエンタープライズAI支出の2〜5%でも、これまで自分が築いたどの会社より大きくなる」と述べた。
同様の自己資金アプローチとして、投資家Chamath Palihapitiya氏もエンタープライズAIコーディング企業8090を自己資金で立ち上げ、今週1億3500万ドルの資金調達を実施している。