Jane Street、増分計算ライブラリ「Incremental」をOSS公開
原題: Incremental – A library for incremental computations
なぜ重要か
増分計算の効率化は金融・GUI・データパイプライン分野で重要であり、Jane Streetの実績あるOCaml実装の公開は関連エコシステムの発展に寄与する。
金融会社Jane StreetがOCaml製の増分計算ライブラリ「Incremental」をGitHub上でオープンソース公開している。Umut Acarらによる「自己調整計算(self-adjusting computations)」の研究に着想を得た本ライブラリは、入力データの変化に対して効率的に再計算を行う仕組みを提供する。現時点でGitHub上のスター数は1,300件超、フォーク数は73件に達している。
Jane Streetは、複雑な計算処理を入力の変化に応じて効率よく更新できるOCaml製ライブラリ「Incremental」をGitHubでオープンソース公開している。
本ライブラリはUmut Acarらが提唱した「自己調整計算(self-adjusting computations)」の研究を基盤としており、依存関係グラフを用いて変更のあった部分のみを再計算する仕組みを実装している。全体を毎回再計算する従来の手法と比べ、大規模な計算においてパフォーマンスの向上が期待できる。
主なユースケースとしては、スプレッドシートのような大規模な計算処理における動的なデータ更新への対応、およびGUIアプリケーションにおけるビュー構築が挙げられている。金融データのリアルタイム処理など、頻繁にデータが変化する環境での利用も想定されている。
リポジトリはJane Streetが管理しており、MITライセンスのもとで公開されている。コミット履歴は174件で継続的に開発が行われてきたことが確認できる。GitHubでのスター数は1,300件超、フォーク数は73件に達している。ドキュメント、テスト、サンプルコードも含まれており、OCamlのパッケージマネージャ「opam」経由での導入にも対応している。