ソフトウェアレンダリングの魅力を再発見

原題: I Love Software Rendering

なぜ重要か

レトロゲーム保存の文脈で、オリジナルのソフトウェアレンダラーを実機・高解像度で動かす手法が改めて注目されつつある。

ブロガーのJames Mackenzieが2026年10月13日、Dell OptiPlex 380上でDOS版Quakeを800×600・60fps固定で動作させた体験をもとに、ソフトウェアレンダリングの美学と技術的背景を詳述した。GPUを使わずCPUのみで描画するこの手法は、1990年代の3Dゲームが本来意図していた映像表現を現代のハードウェアで高解像度再現できる点が特徴だ。

ソフトウェアレンダリングとは、グラフィックカードに頼らずCPUがすべてのピクセルを直接描画する技術だ。Doom、Duke Nukem 3D、Blood、初代Quakeはいずれもこのアーキテクチャをベースに設計された。

3Dカードが登場した1990年代後半、多くのゲームはハードウェアアクセラレート版を追加した。GLQuakeやBloodのVoodoo対応モードがその例だ。しかしMackenzieは、ハードウェア版が導入したバイリニアフィルタリングによる「ぼかし」を好まない。ソフトウェア版はテクスチャをピクセル単位でそのままサンプリングするため、各テクセルが鮮明な四角形を保つ。また256色パレットとルックアップテーブルによるライティングが生む「段階的な影の落ち方」=カラーバンディングを、独特の粗削りな質感として肯定的に評価している。

Mackenzieが強調するのは「ノスタルジーだけではない」という点だ。2019年発売のBuild engineゲーム「Ion Fury」は今もソフトウェアレンダラーを同梱して出荷されている。

一方、技術的な制約も正直に記している。ソフトウェアレンダリングの負荷はCPUに直結するため、解像度を上げるほど処理要求が跳ね上がる。Rasteri氏の検証によれば、Build engineゲームを1600×1200で動かす場合、3.3GHz・4コアのXeonでも「Shadow Warriorを安定して動かすには力不足」になるケースがあるという。

DOSBoxという選択肢も検討したが、一部タイトルでの動作不安定を理由に実機での動作にこだわる。残る課題はサウンドで、現代のPCにはDOS時代のゲームが認識できるサウンドカードが存在しないため、別途対応が必要になると述べている。

出典

jamesfmackenzie.com — 元記事を読む →