AI補聴器スタートアップFortellが163億円調達

原題: How Fortell is using AI (and $163M) to crack a hearing aid monopoly

なぜ重要か

世界で4億3000万人以上が難聴に悩む中、97%を5社が独占する市場にAIで風穴を開ける試みは、医療機器×AI領域の新たな競争軸を示す。

AI補聴器スタートアップのFortellは、Founders Fund・Thrive Capital・Valor Equity Partners CEOのAntonio Graciasらから1億6300万ドル(約163億円)を調達した。同社はAIを用いてリアルタイムに周囲の音を解析し、必要な音だけを際立たせる補聴器の開発を進めている。創業者のMatthew de Jongeが6年をかけて構築したプロダクトで、業界大手5社が世界シェアの97%を占める市場への参入を目指す。

「なぜ祖父母に補聴器をつけるよう頼み込まなければならないのに、メガネをかけてとお願いした人間はいないのか?」──この疑問からFortellは生まれた。創業者のMatthew de Jongeは、この問いに答えるべく6年間を費やし、AIを核心に据えた補聴器スタートアップを立ち上げた。

今回のラウンドで調達した1億6300万ドルは、Founders Fund、Thrive Capital、そしてValor Equity Partners CEOのAntonio Graciasが出資した。既存の補聴器が周囲のすべての音を一様に増幅するのに対し、Fortellのシステムはリアルタイムで音環境を解析し、ユーザーにとって重要な音を選別して届ける仕組みを採用している。

補聴器市場はWiliam Demant、Sonova、GN Audio、Starkey、Signia(旧Siemens)の大手5社が全世界製品の約97%を供給するほぼ寡占状態にある。加えて、保険適用が極めて限定的なため、多くのユーザーが高額な自己負担を強いられてきた。こうした構造的な課題が、技術革新の遅れにも直結していると指摘されている。

de JongeはTechCrunchのポッドキャスト「Equity」に出演し、何十年も変わっていない業界に切り込む難しさを語った。補聴器の装着忌避感(スティグマ)は根深く、製品の使い勝手の悪さがその一因になっているとも述べた。Fortellはより自然な音声体験を実現することで、ユーザーが積極的に使いたいと思える補聴器を目指している。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →