Etched、400億ドル超の評価額で資金調達検討

原題: Etched fields funding offers at $40B+ valuation, sources say

なぜ重要か

NvidiaへのAIチップ依存が高まる中、推論特化の代替チップを持つEtchedへの投資熱は、AIインフラ市場の競争激化を示す重要なシグナルだ。

AIチップ新興企業のEtchedは、2026年10月時点で400億〜500億ドルの評価額での出資オファーを複数受けていることが関係者への取材で判明した。同社は今年9月に210億ドル評価額で7億ドルを調達したばかりであり、わずか数ヶ月で評価額が2倍以上に跳ね上がる可能性がある。交渉は初期段階で、条件は変更される可能性があるとしている。

Etchedは2022年創業のAIチップ専業スタートアップ。推論(inference)処理の高速化に特化した独自チップと、それを搭載した完全なAIハードウェアシステムの開発を手がける。

TechCrunchの取材によると、現在同社に寄せられているオファーは、有力VCからの400億ドル規模から、知名度の低い投資家からの500億ドル規模まで幅がある。Etched側はコメントを拒否しているが、関係者によれば今回調達できる金額が前回と同等であれば、最長3.5年分の資金余力を確保できるという。

評価額の急上昇を後押しする要因は複数ある。まず顧客実績だ。クオンツ系ヘッジファンドのJane Streetは7億ドル調達ラウンドのリード投資家であると同時に、実際にEtchedのシステムを受け取った顧客でもある。同社は2026年7月時点でJane Streetを含む10億ドル超の顧客受注を確保したと公表している。同社の共同創業者兼COOのRobert Wachenは「推論を高速化するために2つの新部品をゼロから設計した」と述べており、Nvidiaと比べてトークン処理速度が速く、コストも低いと主張する。

人材面でも注目を集めている。Wall Street Journalによれば、約400人の従業員のうち約15%がNvidiaの出身者だという。インフラ面では、シリコンバレーに10メガワットのデータセンターを運営し、TSMCへのアクセスを確保するため台湾にも拠点を設けている。なお、チップの試作はすでにTSMCの工場で完了している。

バリュエーションの推移は急激だ。2026年7月にSequoiaが主導した3億ドルのラウンドでは評価額103億ドル、同年9月の7億ドルラウンドでは210億ドルと、数ヶ月で評価額を倍増させてきた経緯がある。これらは実質的に1回の大型調達を2つのトランシェに分けたものとも解釈でき、近年のホットなスタートアップに見られる手法と一致する。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →