EmaがシリーズBで77億円調達

原題: Ema raises $77M as AI starts eating into enterprise software and services

なぜ重要か

AIエージェントがSaaSの代替として機能し始めるシナリオが現実味を帯びており、エンタープライズソフト市場の競争構図が大きく変わりつつある。

AIエージェントで企業業務を自動化するスタートアップEmaは2026年9月、Creaegisが主導するシリーズBラウンドで7,700万ドル(約115億円)を調達した。既存投資家のAccel、Section 32、Prosusも追加出資。累計調達額は1億4,000万ドルに達し、前回2024年のラウンドから評価額は4倍超に拡大した。HR・IT・財務領域でのAI自動化需要を取り込む。

Emaは2023年、元Google・Coinbase幹部のSurojit ChatterjeeとOkta出身のSouvik Senが共同創業したスタートアップだ。同社が展開するのは「AIエンプロイー」と呼ぶ仕組みで、複数のAIエージェントが連携しながら企業内の既存アプリケーションをまたいで多段階の業務プロセスを処理する。単一タスクの自動化にとどまらず、エンドツーエンドで業務フローを担うのが特徴だ。

Chatterjeeはこのモデルが、従来のSaaS製品への依存度を段階的に下げると主張する。まずEmaが既存アプリの上に「ラップ」するかたちで導入され、その後、顧客が特定製品への依存を減らしたり、完全に置き換えたりする流れを想定している。「多くの顧客はすでに大手SaaSアプリケーションの完全な置き換えを進めている。それらはもはやデータベース的な役割しか果たしていない」とChatterjeeは語った。

今回の資金調達は全額プライマリーエクイティで構成され、負債や二次流通取引は含まない。調達額の開示はあったものの、最新評価額は非公開とされた。

競合環境については、AnthropicがClaudeを企業の中核業務(財務・法務など)に組み込む動きを加速させており、OpenAIも顧客先に常駐するフォワードデプロイエンジニアチームを整備するなど、大手AIラボのエンタープライズ進出が続く。しかしChatterjeeはこれらを直接の競合とは見ていない。Emaのシステムはフロンティアモデルとオープンソースモデルを合わせた150以上のモデルを活用可能であり、ドメイン知識・インテグレーション・オーケストレーションに強みを持つ点が差別化要因だと強調した。「フロンティアモデルの進化はわれわれにとって追い風だ」と述べている。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →