CrusoeがBoom製タービン12.5億ドル計画を撤回
原題: Crusoe abandons $1.25B plan to use Boom turbines at AI data centers
なぜ重要か
AIデータセンター向け電源調達が再生可能エネルギーや既存グリッド優先にシフトしつつある現状を示す象徴的な案件だ。
AIデータセンター企業のCrusoeは、Boom Supersonicと締結していた総額12億5000万ドル相当のタービン供給契約を破棄した。CrusoeはBoomの42MWタービン「Superpower」を29基導入し、2027年から納入開始を予定していたが、テキサス州Abileneなどの主要拠点における近期の電源構成にタービンが含まれなくなったことで、立ち上げパートナーシップが成立しないと判断した。
デンバー拠点のAIデータセンター企業Crusoeが、同じくデンバーに本社を置く超音速旅客機開発会社Boom Supersonicとの大型契約を白紙に戻した。両社はBoomが開発する定置型ガスタービン「Superpower」29基を12億5000万ドルで供給する契約を結んでいたが、Crusoeの電源戦略の変化によって破談となった形だ。
Boom SupersonicはもともとOverture超音速旅客機向けエンジン「Symphony」を開発しているが、その派生製品として昨年、定置型発電プラント事業に参入した。SuperpowerはSymphonyと約80%の部品を共有する42MWのガスタービンで、Crusoeはこのビジネスのローンチカスタマーとして名を連ねていた。
BoomのCEO、Blake Schollは9月25日にX上で、Crusoe共同創業者のCully CavnessとChase Lochmillerが最近完了した39億ドルの資金調達を祝いつつ、タービン立ち上げパートナーシップの解消を公表した。「Abileneなどにおいてタービンがもはや近期の主力電源ではなくなったため、ローンチパートナーシップは意味をなさなくなった」とSchollは記している。一方でBoomは他社からの引き合いもあるとし、「2027年には約250MW分のSuperpowerを他サイトへ納入し、2028年には1GWを目標にしている」と述べた。
Crusoeも破談をTechCrunchに認め、広報担当のAndrew Schmittは「各拠点のニーズに応じてタービン、風力、太陽光、蓄電池、グリッドを柔軟に組み合わせる」とコメント。なおCrusoeがOracle・OpenAI向けに稼働させるAbileneの1.2GWデータセンターはグリッド電力を主電源としており、ガスタービンはあくまでバックアップ用にとどまる。Microsoftとは同じAbilenで900MWのデータセンターも建設中だ。
Crusoeは2018年に油田の余剰ガスを活用するビットコインマイナーとして創業し、その後AIデータセンター事業者へと転換した異色の経歴を持つ。今回の方針転換は、急拡大するAIインフラの電源調達において、革新的な新技術より信頼性の高いグリッド接続が優先されやすい現実を浮き彫りにしている。