AWS、イラン攻撃で中東データ復旧不能と発表
原題: AWS says it can't restore some data from mideast facilities struck by Iran
なぜ重要か
物理攻撃によるクラウドデータの永久損失は、中東展開企業のリスク管理とクラウド依存戦略に根本的な再考を促す。
Amazon Web Services(AWS)は、イランによる攻撃を受けた中東地域の施設において、一部のデータが復旧不能な状態にあると発表した。Wall Street Journalが報じた。攻撃を受けた施設の詳細や被害を受けたデータの規模については、現時点で明らかにされていない。クラウドインフラへの物理的攻撃によるデータ損失が公式に認められた異例のケースとなっている。
Wall Street Journalの報道によると、AWSは中東地域の施設がイランによる攻撃を受け、一部のデータを復旧できない状態にあることを認めた。クラウド大手が物理的な軍事行動によってデータを永久に失ったと公式に認めるのは極めて異例だ。
AWSは世界最大のクラウドプロバイダーであり、中東地域ではバーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、イスラエルにリージョンを展開している。中東における地政学的緊張が高まる中、物理インフラが紛争の標的となるリスクが現実のものとなった形だ。
データの完全な冗長性を売りにしてきたクラウド各社にとって、今回の事態は深刻な信頼性の問題を提起する。通常、AWSは複数のアベイラビリティゾーン(AZ)にデータを分散保存することで単一障害点を排除する設計を採用している。しかし、物理施設そのものが破壊される規模の攻撃に対しては、標準的な冗長構成が機能しなかった可能性がある。
影響を受けた顧客の数やデータの種類、具体的な被害規模はまだ公表されていない。政府機関や金融機関など機密性の高いデータを同地域のAWSに預けていた組織にとっては、事業継続計画の根本的な見直しを迫られる事態となりうる。