YouTubeがAI低品質動画のポリシーを明確化
原題: YouTube clarifies policies around AI slop and upsetting videos
なぜ重要か
AIによるコンテンツ大量生成が常態化する中、プラットフォームが収益化基準を明文化したことで、業界全体のコンテンツ品質管理の基準策定に影響を与える可能性がある。
YouTubeは2026年7月20日、YouTube Partner Program(YPP)の収益化ポリシーを更新し、「非本物コンテンツ(inauthentic content)」を3カテゴリに細分化した。AI生成の低品質動画や不快なコンテンツ、AIペルソナによる健康・金融トピックの動画を収益化対象外とし、コンテンツファーミング(収益目的の粗製濫造)の抑制を図る。
YouTubeは、AI技術を用いた低品質動画(いわゆる「AIスロップ」)の収益化を抑制するため、既存のポリシーを更新・明確化した。
同社はすでに昨年、大量生産や繰り返しコンテンツなどの「非本物コンテンツ」を収益化対象外とする方針を発表していたが、今回の改定はその定義をより具体的に3つのカテゴリへ細分化したものとなる。
3つのカテゴリは以下の通り。①AI・CGI・テンプレートを使って大量生成された汎用的・繰り返し的なコンテンツ、②不快または苦痛を与えるコンテンツ、③AIペルソナが健康や金融などのセンシティブなトピックを扱う動画。
YouTubeのトラスト&セーフティ責任者Matt Halprinは、Creator Insider動画の中でポリシー改定の目的を説明した。「AIは多くの動画制作を可能にし、クリエイティビティを高め、高品質なコンテンツを大量に生み出すこともできる。それは奨励したい」と述べる一方、「同じツールが、変化に乏しく物語性もない汎用的な動画を大量に素早く作ることも可能にする。それがコンテンツファーミングであり、YPPには入れたくない」と語った。
背景として、YouTubeはテレビや他のストリーミングサービスとの広告費をめぐる競争が激化している。Googleの同プラットフォームはすでに競合ストリーマーを上回る広告収益を計上し、世界の1日あたりの平均視聴時間でNetflixを超えたとも報じられている。低品質コンテンツの流入はプラットフォームの価値毀損につながるため、広告主や視聴者の信頼を守る施策として今回のポリシー整備が行われた。
YPPはクリエイターが広告収入や有料サービスで収益を得る仕組みであり、YouTubeにとって収益基盤の中核をなす。