WineがOpenBSDに移植される

原題: Wine ported to OpenBSD

なぜ重要か

BSDベースのOSでWindowsソフトウェアの互換性が広がることで、OpenBSDのデスクトップ・ゲーミング用途としての実用性が大きく向上する可能性がある。

開発者Thomas Frohweinが2026年10月18日、OpenBSD向けにWineをポーティングしたと発表した。%gsレジスタ問題をAndrii氏がソフトウェアエミュレーションで解決したことが突破口となり、64ビットのWindows向けソフトウェアが動作可能に。The Witcher 3リマスターを含む多数のゲームや64ビットアプリケーションの動作が確認されている。

OpenBSDのメーリングリスト「openbsd-ports」にて、Thomas Frohwein氏が「今年最も驚くべきポートの提案かもしれない」として、Wine(emulators/wine)のOpenBSD移植版を公開した。

技術的な壁となっていたのは、%gsセグメントレジスタの扱いだった。OpenBSDではgsbaseを直接設定できないため、Andrii氏がソフトウェアレベルで%gsプレフィックス命令をエミュレートする手法を実装。この解決策が移植全体の鍵となり、主要な実装作業はAndrii氏とFabien氏が担当した。

動作検証として、数十本以上の64ビットWindows向けソフトウェアがテスト済みで、その大半が正常に動作することが確認されている。先月リリースされたThe Witcher 3リマスターもvkd3d-protonを追加することで動作した。ライブストリーム録画もREADMEで公開されている。

現時点での最大の制約はWoW64(64ビットOS上で32ビットソフトを動かす互換レイヤー)が非対応であること。つまり32ビットのWindowsソフトウェアは依然として動作しない。実行ファイルが32ビットかどうかはfile(1)コマンドで確認できる。また、組み込みテストはXサーバーへのアクセスが必要であり、一部テストがハングするため現在は無効化されている。

Frohwein氏は初心者向けのテスト対象としてNotepad++(64ビット版)を推奨している。セキュリティ面では、unveil(2)によるサンドボックス化の検討が続いており、それまでの間は専用の非特権ユーザーでの実行を強く勧めている。

出典

marc.info — 元記事を読む →