Greylock、新ファンドを15億ドルに意図的に上限設定
原題: Why Greylock capped its new fund at $1.5B when it says it could have raised more
なぜ重要か
超大型ファンド化が進む業界において、意図的な規模自制による集中投資モデルがベンチャー業界のトレンドに一石を投じる。
Greylock Partnersは2026年7月15日、第18号ファンドとして15億ドルを調達したと発表した。同額は2023年の前ファンド(10億ドル)比50%増だが、同社パートナーのSaam Motamediはそれ以上の「数倍」を調達可能だったと認めており、業界全体で巨大化が進むファンド規模に対し意図的な自制を選んだと説明した。
シリコンバレーで61年の歴史を持つベンチャーキャピタルのGreylock Partnersは、2026年7月15日、第18号ファンドとして15億ドルの調達完了を発表した。この金額は2023年の第17号ファンド(10億ドル)から50%増加しており、パンデミック期に同社がシードとフラッグシップファンドで集めた合計資本とほぼ同水準となる。
パートナーのSaam Motamediは、市場の需要があれば「数倍」を調達できたと述べた上で、あえて規模を抑えた理由を明かした。「私たちの使命は、最も重要な起業家にとって最も重要なパートナーになることだ」と語り、支援する企業数を少なく保つことが高品質なサポートの前提だと説明した。
同社の10人のパートナーは、それぞれ年間1〜2件のみ新規投資を行う方針で、今ファンドから生まれるポートフォリオ企業数は約25社になる見通しだ。投資の主軸は引き続きインキュベーション、シード、シリーズAのリード投資に置かれる。Palo Alto Networks(21年前にGreylockのオフィス内で創業)やAbnormal(2018年にインキュベーション、最終評価額51億ドル)など、創業段階からの支援に強みを持つ。
また、同社は「早期に見逃した」有望なレイターステージ企業にも投資する方針を維持する。第17号ファンドではAnthropicのシリーズF(評価額1,830億ドル)への投資、RevolutおよびWizへの投資がその事例で、AnthropicへのこのラウンドはGreylock史上最大の投資となった。新ファンドでは、資金の約15%をレイターステージ企業に配分する予定だが、Motamediは同社の本質はあくまで早期投資家だと強調した。
毎週月曜日の投資委員会では、会社名ではなく「人名」が議題の中心となるとMotamediは述べ、「企業が存在する前から起業家を知ろうとしている。投資は人への賭けだ」と語った。