米データセンター反対運動、中国の関与は証拠薄
原題: Why China Is the Bogeyman Data Center Enthusiasts Just Can't Quit
なぜ重要か
データセンター建設をめぐる地政学的な言説の拡大は、AI インフラ整備の社会的許容性と政策形成の両面に直接影響を与えうる。
Wiredが2026年9月に報じたところによると、米国でデータセンター反対派が増加し、調査では75%のアメリカ人が地元へのデータセンター建設に反対していることが判明した。テック業界や一部政治家は中国による世論工作が原因と主張するが、専門家はその証拠が薄いと指摘している。
2026年夏、米国でデータセンターへの反対意見がさらに拡大した。最新の世論調査では、アメリカ人の最大75%が地元へのデータセンター建設に反対すると回答しており、前年の42%から大幅に上昇した。こうした世論の変化を受け、テキサス州知事グレッグ・アボットやペンシルベニア州知事ジョシュ・シャピロなど、これまでデータセンターを支持していた両党の政治家が、中間選挙を前に姿勢を転換しつつある。
一方、テック業界の支持者や一部の共和党員は「中国が反データセンター世論を煽っている」という従来の主張を強調している。8月下旬、Xはデータセンターへの反対意見を拡散していた中国関連アカウント200件を特定したと発表し、大きな注目を集めた。Axiosはこれを「中国がアメリカのデータセンター批判を密かに煽動している」と報道し、トランプ大統領もTruth Socialへの投稿で「データセンター反対運動は中国にとって好都合だ」と述べた。
春にも複数の右派系シンクタンクが中国共産党の関与を示唆するレポートを発表し、議員や論者が反データセント感情の元凶として中国を名指しした。6月にはOpenAIが、中国政府と関連するとされるユーザーグループを追放したと発表し、当該グループが「AI インフラへの反対ナラティブをテストしていた」と説明した。
しかし、中国の関与を主張する証拠は乏しいとの指摘が相次いでいる。ワシントンで広く引用されている主要レポートについて、中国専門家らはその内容が憶測と推定に大きく依存しており、具体的な証拠に欠けると述べた。OpenAI自身も6月のレポートで、特定したアカウント群はデータセンターへの既存の不満を「利用した」に過ぎないと認めている。環境への懸念、大企業優遇の政治構造、AIへの根強い不信感など、反対運動の背景には複合的な要因があると報じられている。