Cal AIの急成長、インフルエンサー戦略が核心
原題: When it came to Cal AI’s viral success, a small army of influencers paid off
なぜ重要か
インフルエンサーマーケティングを「量」と「成果報酬」で体系化した手法は、資金力の乏しいスタートアップのユーザー獲得モデルとして注目に値する。
AI搭載カロリー管理アプリ「Cal AI」の創業者Zach Yadegari(19歳)は2026年10月15日、TechCrunch Disruptの登壇で同社の成長戦略を公開した。Cal AIは2024年創業で2年間に3,000万ドル超の収益を達成。2026年3月にMyFitnessPalに買収された。急成長の核心は、多数のインフルエンサーを組織的に活用したソーシャルメディア戦略にある。
Yadegariがステージで明かした戦略の骨格は「インフルエンサーの量産」だ。初期の手応えは、あるインフルエンサーの投稿が2日間で約1,000人の新規ユーザー獲得につながった時点で掴んだ。「これは使えると分かった瞬間から、できるだけ速くインフルエンサーを集め始め、できるだけ多くの人に報酬を払って投稿してもらった」と彼は語った。
報酬体系もユニークだ。インフルエンサーへの支払いは固定ではなく、「一定の到達リーチを達成するまで投稿し続けること」を条件に交渉。Yadegariは「多くのインフルエンサーは現金を求める苦学生で、そこにうまくアプローチできた」と率直に述べた。成果は「極めて線形」で、投稿数に比例してコンバージョンが積み上がる構造が確立されたという。
インフルエンサー選定でも独自の基準を持つ。フォロワー数の多さより「コミュニティの結束が強いアカウント」を優先した。リーチを定量化できるインフルエンサーを選ぶことが、再現性のある成長に直結したと強調した。
Cal AIは2年で3,000万ドル超の収益を達成し、2026年3月にMyFitnessPalへ買収額非公開で売却。Yadegariはその後、AIエージェントスタートアップ「Persona」を立ち上げており、既に1,000万ドルの資金調達を完了している。PersonaはiMessage・メール・電話など複数チャネルで動作するパーソナルAIアシスタントで、専用ハードウェアの開発も視野に入れる。
登壇ではForbes 30 Under 30選出の実績や家族の支援にも触れた一方、大学進学については「楽しい社会経験が目的なら意味はある」と皮肉交じりにコメントし、会場の笑いを誘った。