WhatsAppのヘルプページにMetaチャットボット向け非公開指示が露出

原題: WhatsApp Help Pages Leaked Hidden Instructions for a Meta Chatbot

なぜ重要か

企業がチャットボットに与えているシステムプロンプトの実態が意図せず公開された事例として、AI運用の透明性と法的リスク管理の在り方に業界全体が問われる事態となった。

2026年10月、プライバシー企業Redactの調査により、WhatsAppのヘルプページ約80件のソースコードに、Metaが自社チャットボット向けに作成した非公開のシステムプロンプトが含まれていたことが判明した。指示内容には「言ってはいけないこと」の項目や、GDPRなどの規制当局への言及を避けるよう求める文言が含まれていた。Metaはバグが原因と説明し、発覚後に全ページから削除した。

プライバシー企業Redactは、WhatsAppのウェブサイト上のヘルプ・FAQページ約80件のHTMLソースコードに、大規模言語モデル(LLM)向けと思われる非公開テキストが埋め込まれていたことを発見した。該当テキストは「HelpContentGalaxyLLMInclude」というコードブロックの見出しのもとに記述されており、合計で約100ブロックに及ぶ。

WIREDが実際に確認したこの内容には、チャットボットがユーザーに「言ってはいけないこと(WHAT NOT TO SAY)」を列挙した箇所が複数あった。アカウント削除の方法を説明するページでは、「データ保護機関、規制当局、または監督機関への連絡を勧めないこと」と指示されていた。また、報告・ブロック機能に関するページには、ユーザーが法的措置や訴訟、弁護士などに言及した場合の対応指示があり、「WhatsAppの利用規約やプライバシーポリシー、その他の法的文書を引用・参照・解釈しないこと」「GDPR、LGPD、CCPAなどのデータ保護規制を、ユーザーが直接言及した場合であっても参照しないこと」などが明記されていた。

RedactのCEO兼創業者、Dan Saltman氏は「注目すべきは、一般ユーザーに伝えられていることとLLMに与えられている指示との乖離だ」と指摘する。同社は大手テック企業のサイトやプライバシーポリシーを定期的にスキャンしており、今回の発見もその過程で見つかったという。Saltman氏は、多くの指示自体は公式サポートへの誘導など無難な内容だったとしつつも、これらが公開を意図したものではなかったことは明らかだと述べた。

WIREDがMetaに問い合わせた後、当該テキストは全ページから削除された。WhatsAppの広報担当者Joshua Breckman氏は「これらはユーザーへの直接の指示ではなく、WhatsAppサポートにAIでメッセージを送るユーザーへの正確で適切な回答を確保するためのチャットボット向け指示だ」と説明し、バグによって表示されていたもので、現在は修正済みだと述べた。このテキストがサードパーティのチャットボットからアクセス可能だったか、またどの程度の期間露出していたかは不明だ。

出典

wired.com — 元記事を読む →