欧州57億ドルファンド「Scaleup Europe」が始動、ICEYEに初投資
原題: What’s Scaleup Europe, the $5.7B fund that just backed satellite company ICEYE?
なぜ重要か
欧州スタートアップの後期資金調達不足という構造的課題に対し、官民連携で57億ドル規模のファンドが動き出したことは、欧州の技術主権強化において重要な転換点となる。
欧州委員会が設立した官民ファンド「Scaleup Europe」が本格稼働し、フィンランドの衛星インテリジェンス企業ICEYEのシリーズFラウンドを共同リードした。同ファンドの運用総額は50億ユーロ(約57億ドル)で、EUまたはパートナー国に拠点を置く成長段階のスタートアップへの投資を目的とする。ICEYEの企業価値は110億ドル超に達している。
欧州委員会は、成長段階のスタートアップ支援を目的とした官民ファンド「Scaleup Europe」の本格稼働を発表した。運用規模は50億ユーロ(約57億ドル)で、第1号案件としてフィンランドの衛星インテリジェンス企業ICEYEのシリーズFラウンドを共同リードした。ICEYEの企業価値はこのラウンドで110億ドルを超えた。
Scaleup EuropeはスウェーデンのアセットマネージャーEQTが運用を担う。EQTはオープン入札で選出されており、最終候補にはAtomicoも含まれていた。EQTのCEO兼マネージングパートナーのPer Franzénは「欧州は初期段階の技術系企業を育てる能力を証明してきた。課題は今やそれらをグローバルリーダーへと成長させながら欧州としての基盤を維持することだ」と声明で述べた。
同ファンドの投資対象は深層技術、ライフサイエンス、クリーンテック、先端製造、デジタル技術などに及ぶ幅広いマンデートを持ち、AI、バイオテック、エネルギー、ロボティクス、半導体、宇宙分野も含まれる。
ICEYEのCEOであるRafal Modrzewskiは、「宇宙ベースのインテリジェンスは政府にとって重要なインフラになりつつある。Scaleup Europe Fundは、我々のような企業がグローバルに競争するために欧州を離れなくて済むよう存在している」とLinkedInに投稿した。
同ファンドは、欧州のディープテック人材が後期段階の資金調達を欧州外でのみ確保できるという課題への対応策として設立された。EQTは3,000億ドル超の運用資産を持ち、ファンドの目標調達額達成に向けて自社資本の「相当規模のコミットメント」も行う予定。現時点でファンドが調達した総額の詳細は公表されていない。