米国が外国製ルーター禁止、知るべきこと
原題: What You Need to Know About the Foreign-Made Router Ban in the US
なぜ重要か
家庭用ルーター市場の大半を占める外国製品が規制対象となり、米国のサプライチェーンとセキュリティ政策の両面に長期的な影響を与える。
FCCは2026年3月、国家安全保障を理由に米国外製造の新規民生向けWi-Fiルーター・モバイルホットスポットの販売を禁止した。対象はNetgear、TP-Link、Asus、Amazon Eero、Google Nestなど主要ブランドのほぼ全製品。ただし既存の承認済み製品は2029年1月1日まで販売・使用可能で、メーカーは免除申請も可能。AsusなどへのConditional Approvalも順次発表されている。
FCCは2026年3月、民生向けWi-Fiルーターおよびモバイルホットスポット機器を「Covered List(容認しがたい国家安全保障上のリスクをもたらすと判断された機器・サービスのリスト)」に追加し、米国外製造の新製品の輸入・販売・マーケティングを禁止した。
FCCは禁止の理由として、「悪意ある行為者が外国製ルーターのセキュリティ上の脆弱性を悪用し、米国家庭への攻撃、ネットワーク障害、スパイ活動、知的財産の窃取を行ってきた」と説明。中国系ハッカー集団によるVolt Typhoon、Flax Typhoon、Salt Typhoonサイバー攻撃でも外国製民生ルーターが使われたと指摘した。
サイバーセキュリティ企業BitdefenderのThreat Research部門ディレクター、Bogdan Botezatu氏は「消費者向けルーターはすべてのホームネットワークの入口に位置しており、大規模に侵害されれば戦略的なリスクになる」とコメント。IoT機器全般がインターネット上の弱点であるとも指摘した。
禁止対象は新たに製造・輸入される民生グレードの機器のみで、すでに米国内の家庭で使われているルーターや現在販売中の承認済み製品は対象外。既存製品は2029年1月1日まで販売・使用・ファームウェア更新が認められる。
「外国製」の定義は依然として不明確な部分が多く、米国外で設計または製造された製品、あるいは完全な米国資本・運営でない企業の製品が対象になり得る。Netgear、TP-Link、Asus、Amazon Eero、Google Nest、Synology、Linksys、Ubiquitiといった主要ブランドがほぼすべて該当する。一方、メーカーはFCCへ免除申請(Conditional Approval)が可能で、2026年9月時点ではAsusを含む複数社が条件付き承認を取得している。