VMwareがSMB向け「vSphere Express」発表
原題: VMware releases vSphere Express for virtualization on up to 128 cores
なぜ重要か
BroadcomがSMB市場を再び取り込もうとする姿勢は、競合他社(Nutanix、Proxmoxなど)への顧客流出に対する危機感の表れであり、仮想化市場の競争構造に影響する。
Broadcom傘下のVMwareは2026年11月4日、中小企業向け仮想化製品「vSphere Express」を発表した。最大128コアに対応し、ITディストリビューターTD Synnexによる価格は年間9,600ドル。vMotionや高可用性など基本機能を備えるが、集中管理機能は含まれない。高額なVMware Cloud Foundation(VCF)やvSphere Foundationへの移行を迫られていた小規模顧客の要望に応えた製品と位置づけている。
BroadcomによるVMware買収後、同社は製品ラインをVCFを中心とした高価なバンドルへ集約し、中小企業(SMB)顧客から強い批判を受けてきた。旧来のエントリーレベル製品「vSphere Standard」は事実上入手困難となり、一部の顧客はVMware営業担当者から「vSphere Standardはもう販売していない」と告げられたと報告していた。
今回発表されたvSphere Expressは、コア数に応じた価格設定ではなく、128コアまでを一律で年間9,600ドルというフラットな料金体系を採用している。コア数を減らしても価格は変わらないため、極小規模の用途にはまだ割高感が残る点が課題だ。
製品にはvMotion(稼働中の仮想マシンのライブマイグレーション)とHA(障害発生時の仮想マシン自動再起動)が含まれる。ただし、複数インスタンスの集中管理には非対応で、各インスタンスを個別に管理する必要がある。VCF製品マーケティング担当VPのPrashanth Shenoy氏はThe Registerに対し、「VVFは不要だがコア仮想化機能が欲しいという低エンド顧客の声を聞き始めた。この製品はそのような市場向けだ」と述べた。
アップデート頻度についても、長年放置されていたvSphere Standardとは異なり、VCFやVVFと同等のペースで更新される予定だとThe Registerは報じている。
BroadcomはVMware買収後、チャネルパートナーを大幅に削減し、大口顧客への直販計画を撤回するなど企業向け路線を明確にしてきた。VCFチーフプロダクトオフィサーのPaul Turner氏は9月のインタビューで、社内の営業インセンティブがVCF販売に偏りすぎていたと認めており、今回のvSphere Express発表はその軌道修正の一環と見られる。