a16z出資のVals、AIベンチマークの標準狙う
原題: Vals, backed by Andreessen Horowitz, is looking to become the gold standard for AI benchmarking
なぜ重要か
AI評価の信頼性が問われる中、独立した第三者ベンチマーク企業の台頭は業界全体の透明性向上を左右する
AIベンチマークスタートアップのValsは2026年9月、Andreessen Horowitzが主導するシリーズAで4,000万ドルを調達した。2024年創業の同社は、法律・金融・コーディングなど特定業界における複雑タスクの達成度でAIモデルを評価する手法を採用。テスト内容を非公開にすることで、モデルがベンチマーク用に過学習する「カンニング」問題を防ぐ設計が特徴だ。
AIモデルの能力を測るベンチマークは、各社の宣伝ツールとして定着している。しかし既存の評価システムの多くは古く、最新モデルの実力を正確に反映できていないという問題が業界で指摘されてきた。さらに、テスト内容が公開されているため、企業がベンチマーク向けに意図的にモデルを訓練できてしまう「カンニング」リスクも常態化している。
Valsはこの課題を解決するために設立された。共同創業者でCEOのRayan Krishnan氏(25歳)はStanford大学在学中にPalantir、Microsoft、同大学のAI研究所でのインターン経験を持つ。「新しい高性能モデルが次々と登場する中、学術ベンチマークがその進化に追いついていなかった」とKrishnan氏は語る。
同社の評価手法は従来型と一線を画す。一般知識を問う試験形式ではなく、法律・金融・コーディングといった特定業界で実際に求められる複雑なタスクの完了能力を測定する。「バー試験のような抽象的な知識テストではなく、各領域で人間と同等の成果物を出せるかどうかを見ている」とKrishnan氏は説明した。加えて、具体的なテスト内容を非公開にすることで過学習を防ぐ設計を採用している。
資金面では、2025年に8VCとBloomberg Betaが主導するシード資金を調達。その後急成長を経て、2026年8月にAndreessen Horowitz主導のシリーズAで4,000万ドルを獲得した。オフィスはサンフォランシスコのFolsom Streetにある旧醸造所の2フロアを構える。
Krishnan氏はポジティブな結果だけでなくネガティブな影響も検証すべきと強調しており、企業がAIモデルについて主張する内容を客観的に検証する「第三者機関」としての役割を目指している。