米政府、著作権訴訟でOpenAIを支持
原題: US government sides with OpenAI on issue of training LLMs on copyrighted material
なぜ重要か
米政府の公式支持はAI企業の著作権訴訟における法的リスクの評価に影響し、AI産業全体の学習データ利用の行方を左右しうる重大な動向である。
トランプ政権は2026年9月2日、The New York TimesがOpenAIに対して起こした著作権侵害訴訟に関し、OpenAIによる著作権保護コンテンツを用いたLLM学習を擁護する20ページの意見書を提出した。政府はAI産業の競争力維持と世界的なリーダーシップ確保を理由に掲げており、フェアユース法理の誤った適用はアメリカの繁栄を損なうと主張している。
トランプ政権は2026年9月2日、The New York TimesがOpenAIを相手取って提起した著作権訴訟において、OpenAI支持の意見書(アミカス・ブリーフ)20ページをニューヨーク南部連邦地方裁判所に提出した。
意見書では「米国はAI活用の基準を世界に示す、強固で競争力あるAI産業を発展させ続けることに強い利益を持つ」と述べ、トランプ大統領が昨年署名した大統領令を引用しながら「グローバルなAIリーダーシップの維持が不可欠」と主張している。また「フェアユース法理の誤解に基づいてLLM開発を制約することは、創造的・科学的な進歩を妨げ、米国の繁栄と経済的機動性を損なう」とも記している。
ChatGPT、Claude、GeminiなどのチャットボットはいずれもLLMによって動作しており、書籍・記事・その他のメディアを含む膨大な著作権保護コンテンツを許諾なしに学習データとして使用している。The New York Timesをはじめ多くの出版社は、こうした無許諾利用を違法と訴えている。
著作権とAI学習を巡る議論では、AIによる利用が著作物の「変容的(transformative)」利用に当たるかどうかが焦点となる。変容的と認められる場合、フェアユースとして適法とされる可能性がある。
関連する先行事例として、William Alsup判事は昨年Anthropicに対し作家グループへの15億ドルの著作権和解金支払いを命じたが、AI学習そのものに対するペナルティではなく、違法な「シャドウライブラリ」を通じた書籍の海賊利用が理由とされた。Alsup判事は「Anthropicのが著作物から学習したのは、複製や代替のためではなく、異なる何かを生み出すためだ」と述べ、LLMの学習を人間が読書するプロセスに例えた。
今回のトランプ政権の意見書は判決ではなく、提出者に裁判管轄権もないが、裁判所の判断に影響を与える可能性がある。