新型合金技術、軍用ドローンから高級時計まで用途拡大
原題: This startup’s super metals could soon be in military drones, luxury watches, and chef’s knives
なぜ重要か
新型合金技術は防衛・航空宇宙から民生品まで幅広い産業での素材革新を促進。エネルギー効率の大幅向上と新機能材料の実現は、製造業全体の競争力強化につながる可能性がある。
スタートアップのFoundation Alloyが、従来の溶融ではなく金属粉末を衝撃で圧縮する新しい合金製造技術を開発。2026年にシリーズA で2,200万ドルを調達し、2027年までに週数トンの生産規模を目指す。自動車、航空宇宙、防衛、半導体産業などと試験段階にあり、エネルギー消費を従来比で約10分の1に削減可能。
Foundation AlloyのJake Guglin最高経営責任者によると、同社は金属粉末粒子を衝撃で圧縮する手法により、従来の製造方法では実現できない特性を持つ合金を製造している。青銅器時代から変わらぬ加熱融合による合金製造に対し、新技術は固体状態のプロセスを採用する。
同社が現在行なっているパイロットプロジェクトは、自動車、航空宇宙、半導体、防衛産業のほか、シェフナイフや高級時計メーカーにも及んでいる。Gugling氏は「生産能力が制約となっており、需要はある」と述べている。
シリーズA資金調達は、Voyager Venturesがリードし、Trust Ventures、ヤマハモーター、America's Frontier Fund、Overlap Holdings、Material Impact、Engine Ventures、El Cap、兼松がラウンドに参加した。兼松は日本とアジア太平洋地域での流通を担当する。
技術の基盤は、20年間の科学研究成果に基づくもの。Tim RupertとChris Schuhがナノメートルスケールでの金属挙動の理解を進め、これがFoundation Alloyの基礎となった。Schuh氏はDesktop MetalとXtalic の共同創設者でもある。
従来の合金製造では分子スケールの結晶構造に空隙が生じ、脆性や耐熱性を低下させるが、固体状態プロセスではこれを解決できる。また融点が大きく異なる金属同士の合金化も可能になり、これまで実現困難だった性能を持つ合金の製造が可能になる。