Cybertruck終了がEV普及に好影響な理由
原題: The Cybertruck’s Death Is Actually Great News for EVs
なぜ重要か
大型EV撤退と小型EV台頭の流れは、バッテリー供給チェーンの効率化とEV価格の大衆化を同時に加速させる可能性がある。
Teslaは2027年にCybertruckの生産を終了する。同車は123kWhという巨大バッテリーを搭載し、重量の約4分の1を占めていた。Fordのパワー系EV「F-150 Lightning」も昨年末に生産終了しており、大型EVが相次いで市場から撤退する一方、小型・低価格EVの発表が続いている。この流れはバッテリー資源の有効活用とEV普及加速につながる可能性がある。
TeslaはテキサスのGigafactoryでのCybertruck生産を来年終了すると発表した。同車は123kWhのバッテリーパックを搭載し、重量は約726kg(約1,600ポンド)と車両総重量の約4分の1を占める。デザインの賛否や複数のリコール問題、そしてElon Muskの言動が引き起こすブランドイメージの悪化が販売不振に影響したとみられる。
Cybertruckの終焉は孤立した事例ではない。Fordは昨年末にF-150 Lightningの生産を打ち切り、2024年には3列シートEVも廃止していた。F-150 Lightningのバッテリーは98〜131kWhに達していた。大型トラック系EVが1年以内に相次いで消えた格好だ。
一方、市場には小型・低価格EVが続々と登場している。Fordは30,000ドル以下のコンパクト電動ピックアップ「Fathom」を来年投入予定。スタートアップのSlateは25,000ドル以下のベースモデルから始まる小型電動ピックアップを発売し、すでに大量のプレオーダーを獲得している。RivianのR2は88kWhバッテリーで旗艦R1Sより軽量化されており、さらに小型のR3も予告されている。
バッテリーはEVで最もコストのかかるコンポーネントだ。Cox Automotiveによると、現在の新型EVの平均取引価格は55,800ドルに達している。車体を小型化すれば必要なバッテリー容量が減り、価格を抑えられる。大型EVが相次いで市場から退場し、限られたバッテリー素材をより多くの車両に振り向けられるようになれば、EV普及にとってプラスに働くと業界関係者は見ている。
なお、大型EVが完全に消えたわけではない。KiaのEV9や RivianのR1SはいまだアメリカのEV販売上位10位内に入っており、F-150 Lightningの中古市場も活況を呈している。ただ、上位10台のうち残りはクロスオーバー、セダン、中型SUVが占めており、業界全体のトレンドは明らかに小型化へシフトしている。