宇宙レーザー送電、初の実証実験へ

原題: Space Lasers Are About to Get Their First Real Test Generating Energy

なぜ重要か

宇宙データセンター需要が高まる中、軌道上電力インフラは次世代宇宙産業の根幹となりうる分野であり、実証成功は市場形成を一気に加速させる。

スタートアップのStar Catcherは2026年9月末、SpaceXのロケットで試験機「Protostar」を打ち上げ、宇宙空間で初めて2つの独立した衛星間をレーザーで送電する実証実験を行う。同社は今年6500万ドルの資金調達と米宇宙軍から3000万ドルの契約を獲得しており、長期電力購入契約も10件締結済みだ。

GoogleやSpaceXをはじめ多くの企業が宇宙データセンターの構築を計画しているが、その実現には大量の電力供給が不可欠だ。フロリダ州ジャクソンビルを拠点とするStar Catcherは、太陽光をレンズで集光してレーザーに変換し、軌道上の衛星に向けて送電するシステムで、この課題に挑む。

同社の衛星は「パワーノード」と呼ばれる装置を搭載し、拡散した太陽光より最大10倍の電力を供給できる波長の光に精製してレーザーとして照射する。今回打ち上げる試験機「Protostar」は最終製品より小規模な機体だが、同時に射出されるキューブサットへの送電追跡技術も含めたシステム全体を宇宙で初めて統合テストする。2つの非接続物体間でのレーザー送電が成功すれば、宇宙史上初の事例となる。

宇宙太陽光発電の構想自体は1941年のアイザック・アシモフのSF作品に端を発し、NASAも1970年代に研究した。ただ、打ち上げコストが高く実用化は難しかった。Max Planck Institute for the Science of LightのHanieh Fattahi研究員は「打ち上げコストの低下が軌道上産業を現実的にしつつある」と指摘する。

CEOのAndrew Rushは「宇宙には電力グリッドがない。みんな小さなキャンプ旅行をしているようなものだ」と表現し、同社の送電ネットワークがその空白を埋めると強調する。衛星のバッテリーを小型化して計測機器やGPUを増やせるため、キログラム単価が数千ドルに上る打ち上げコストを考えると、商業的なメリットは大きい。

Star Catcherは今年6500万ドルの資金調達を完了し、米宇宙軍から3000万ドルの賞金を獲得。意向書40件に加え、長期契約である電力購入契約10件も締結している。同じSpaceXの打ち上げにはGoogleの最初の宇宙データセンター衛星も相乗りしており、軌道上産業への期待の高まりを象徴している。Rush氏は「今decade内に軌道上で意義ある商業電力供給サービスを提供する」と意気込む。

出典

wired.com — 元記事を読む →