宇宙データセンターは近い将来困難、専門家の見解
原題: Sam Altman’s space data center trash talk is what most experts already believe
なぜ重要か
宇宙データセンター計画はSpaceXの巨大評価額を支える柱であり、その実現可能性への専門家の懐疑論は宇宙産業全体の投資判断に影響を与えうる。
Sam AltmanがElon MuskのX投稿に反論し、宇宙データセンタービジネスの実現性に疑問を呈した。専門家らも同様の見解を示しており、SpaceXの宇宙軌道上データセンター計画は同社の2兆ドル評価額を支える主要要因だが、低コストロケットや大量生産可能な高出力衛星が揃わない限り、本格的な事業化は困難と指摘されている。
2026年7月、Sam AltmanとElon Muskがソーシャルメディア上で応酬を繰り広げ、宇宙データセンタービジネスをめぐる論争が注目を集めた。MuskがAltmanを「詐欺師」と非難したのに対し、Altmanは「あなたこそ公開市場の投資家に短期的な宇宙データセンターを売り込んでいる」と反論した。
SpaceXは、AI推論処理を行う軌道上データセンターの衛星群を打ち上げる計画を持ち、これが同社の2兆ドルとも言われる企業評価額を支える主要な成長シナリオとなっている。強気派のアナリストは、SpaceXAIのモデルへの処理能力提供や「軌道上ネオクラウド」としての潜在性を評価する。
しかし、TechCrunchが取材した専門家の見解は一致している。宇宙データセンタースタートアップの起業家、Googleの軌道上コンピューティングプロジェクトチーム、独自に試算したエンジニアらいずれも、「より安価なロケットと低コストで大量生産可能な高出力衛星が実現しない限り、本格的なビジネスにはならない」と結論付けている。
MuskはStarshipによるコスト革命を解決策として示す。同ロケットは2026年7月16日にも第13回テスト飛行を予定している。ただしSpaceXはIPOロードショーで、Starshipの第2段ステージが近い将来は使い捨てになる可能性を認めており、これが経済的な宇宙データセンター運用の妨げとなる。さらに完全再利用の実現後もNASAへのコミットやStarlink網の拡充が優先されるとみられ、宇宙データセンターの大規模展開は2030年代以降になる可能性が高いと専門家は指摘している。