Quad9、フランスから11月に撤退

原題: Quad9 (DNS Resolver) to Exit France

なぜ重要か

DNS解決への著作権執行が世界中の非営利インフラ事業者に同様のリスクをもたらす先例となりうる点で、業界全体の注目を集めている。

非営利DNSリゾルバーのQuad9は2026年10月22日、フランス裁判所がbeINスポーツの著作権侵害を理由としたDNSブロッキング命令を支持する判決を下したことを受け、同国でのサービスを2026年11月24日に終了すると発表した。罰金は日額€580,000から€1,000に減額されたが、Quad9は原則的な理由から命令への長期的な遵守を拒否した。

スイスを拠点とする公益非営利財団のQuad9は、フランス裁判所の判決を受け、同国のユーザー向けDNS解決サービスを11月24日に停止する。事の発端は、カタール系放送会社beINがスポーツ中継の著作権を侵害するとして、Quad9に対し特定ドメインのDNS解決ブロックを求めた訴訟だ。

裁判所は今回、Quad9がフランス国内ユーザーへのDNS応答を遮断しなければ1日当たり€1,000の罰金を科すとする判決を下した。当初求められていた€580,000から大幅に減額されたものの、Quad9は「金額の問題ではなく、原則の問題」と明言している。

Quad9の立場は明確だ。再帰DNSリゾルバーは中立かつ受動的なインフラであり、コンテンツの発信元ではない。ユーザーへのDNS応答を改ざんすることは、自らのミッション——プライバシー保護、サイバー脅威対策、インターネットの完全性維持——と根本的に相容れない、というものだ。同財団は「コンテンツ侵害への対応は、侵害コンテンツが公開されている発信元で行うべきだ。無関係な第三者に対しインターネットの基本原則を破るよう強制することは、見当違いで非生産的」と批判している。

Quad9は9.9.9.9を提供し、世界中のユーザーに無料でマルウェアブロッキングやプライバシー保護機能付きDNSを提供してきた。今回の撤退でフランスのユーザーは、欧州プライバシー法に準拠しながらサイバーセキュリティを提供できる代替手段を失う形となる。

Quad9は声明の中で「フランスのインターネットユーザーが適切な保護を受けられなくなることを深く遺憾に思う」と述べており、今後の対応については明示していない。

出典

quad9.net — 元記事を読む →