PythonよりJuliaが速い?2言語問題に迫る

原題: Python Is So Slow. Can Julia Solve the Two-Language Problem?

なぜ重要か

科学計算・AI研究の開発効率を根本から左右する2言語問題の解決策として、Juliaの動向は研究・産業界双方で注目される。

Wired誌は2026年7月13日、科学計算分野で注目されるプログラミング言語Juliaが、Pythonの「2言語問題」を解決できるかを検証する記事を掲載した。JuliaはベンチマークによってはPythonの10倍から1,000倍高速とされる一方、普及率では依然として低迷している実態が報じられた。

科学計算の現場では長年にわたり「2言語問題」が課題となっている。研究者はプロトタイプ開発にはPythonを使うが、パフォーマンスが求められる処理においてはC++やRustといった低レベル言語へ書き直す必要があり、開発効率を著しく低下させる。

この問題の本質はPythonの遅さにある。PythonはAPIの使いやすさや豊富なライブラリエコシステムによって科学・データサイエンス分野の事実上の標準言語となったが、速度面ではCやRustに大幅に劣る。AIコーディングエージェントを活用しても、言語自体の構造的な遅さは根本的には解消できないとされる。

2012年、強力な数学的バックグラウンドを持つ4人のコンピュータ科学者がこの問題の解決を目指してJuliaを開発した。Juliaはベンチマーク環境によっては、Pythonの10倍から1,000倍の実行速度を持つとされ、Pythonに近い記述しやすさと、CやRustに匹敵する処理速度を両立することを設計目標としている。

記事ではJuliaが依然として広く普及していない理由も指摘されており、エコシステムの未成熟さやコミュニティ規模の小ささが課題として挙げられている。また、歴史的な文脈として、1960年代にKenneth Iversonが開発したAPLという言語が「数学記法とプログラミング言語の融合」という同様の課題に取り組んだ先例として紹介されており、Juliaはその現代的な後継と位置づけられている。

出典

wired.com — 元記事を読む →