PayPal、Stripeの買収提案に含みを持たせる発言
原題: PayPal leaves the door open to a higher takeover offer following earnings beat
なぜ重要か
決済大手PayPalの買収交渉の行方は、フィンテック業界の再編方向性を左右する重要な動向として注目される。
PayPalのCEO Enrique Loresは2026年7月28日のQ2決算説明会で、StripeとAdvent Internationalによる1株60.50ドル・総額534億ドルの買収提案を明確に否定せず、株主により大きな価値をもたらすM&Aであれば慎重に検討すると述べた。同社の調整後EPSは1.38ドルと予想の1.28ドルを上回り、売上高も前年比5%増の86.8億ドルと市場予想を超えた。
PayPalのCEO Enrique Loresは、2026年7月28日に開催されたQ2 2026決算説明会において、StripeとAdvent Internationalによる買収提案について直接的なコメントを避けつつも、「現在の戦略を実行するよりも株主に優れた価値をもたらすと判断できるM&Aの道筋があれば、もちろん慎重に検討する」と発言した。これは買収の可能性を完全に排除するものではなく、市場では現在の提案価格では不十分との見方が広がっている。金融サービス会社Cantorの分析では、PayPalの適正株価は1株あたり約70ドルと試算されており、現在の株価は約58ドルで推移している。
Q2の業績は予想を上回る内容だった。調整後1株当たり利益は1.38ドルで、アナリスト予想の1.28ドルを超過。売上高は前年同期比5%増の86.8億ドルとなり、予想の84.7億ドルを上回った。調整後フリーキャッシュフローは18億ドルに達しており、製品・戦略投資の余地を確保している。
PayPalはAIを活用した事業転換にも取り組んでいる。事業を「チェックアウトソリューションおよびPayPal」「コンシューマー金融サービスおよびVenmo」「決済サービスおよび暗号資産」の3セグメントに再編する構造改革を推進中だ。Loresは今後2〜3年で少なくとも15億ドルの総コスト削減を達成する計画について「順調に進捗している」と説明。また、社内の組織階層を3層削減し、データセンターからクラウドへの移行やプラットフォームの簡素化を含む技術刷新も継続していると述べた。
同社はコーディング、カスタマーサービス、サポート業務、リスク管理といった領域にAIを活用することで追加のコスト削減を見込んでいる。Loresは「変革戦略の実行が株主に多大な価値を生み出すと確信している。それが我々の焦点だ」と強調した。