NvidiaがGPU市場下落の煽りを受ける
原題: Nvidia is a victim of the compute marketplace it created
なぜ重要か
AIインフラ投資の重心がGPUからメモリへシフトしつつあり、半導体産業のボトルネックの変化が今後の設備投資動向を左右する可能性がある。
Nvidiaの株価は2026年5月のピーク以降15%下落し、予測収益に対する株価評価はS&P500平均を下回った。一方、DRAMメーカーのMicronは同期間に株価が約3倍に上昇。GPU時間のスポット価格も5月の約3.20ドル/時からその後下落が続いており、AIインフラ投資の資金がメモリ企業へシフトしていることが背景にある。
Nvidiaはここ数カ月、業績見通しが成長を続けているにもかかわらず、株価が軟調に推移している。Bloombergの報道によれば、株価は2026年5月のピークから15%下落し、予測利益に対して支払う株価倍率がS&P500平均よりも低い水準となった。
AIインフラへの資金流入は続いているものの、その行き先がNvidiaのGPUからメモリチップ企業へと移行している。世界最大級のDRAMメーカーであるMicronの株価は同期間に約3倍に上昇し、メモリがデータセンターの新たなボトルネックとして注目されている。
GPU不足が昨年に比べて緩和され始めた一方、データセンターはメモリを大量に必要としている。高帯域幅メモリ(HBM)チップは技術的な革新がなくても、データセンターの大規模な構築計画に伴い需要が急増。供給が追いつかない状況から、DRAMのスポット価格は過去1年で約10倍に跳ね上がった。データ分析サービスDatatrackのデータによれば、DRAMスポット価格は2025年夏に急騰した。
コンピュートマーケットプレイスOrnnのデータでは、Nvidia H100 GPUの1時間あたりスポット価格は5月に約3.20ドルでピークを迎え、その後継続的に下落している。Ornnの共同創業者兼CTOのWayne Nelms氏は、このGPUとメモリの価格乖離を単純な需給の問題として説明している。
NvidiaはCUDAというプログラミングプラットフォームの普及やGPU開発スピードの加速など、AI産業の基盤を築いてきた。しかし、自らが整備したコンピュートマーケットプレイスにおいて、GPUの供給増加が価格下落を招くという構造的な課題に直面している。